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この地上に喜びを [宝塚歌劇]

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この約3週間、息つく間もなく駆け続けておりました。

何とか乗り越えた自分へのご褒美にと、やってきたのは…やはり宝塚大劇場!!

宙組公演『王家に捧ぐ歌』を観劇しました。朝夏まなと、大劇場でのトップスター御披露目公演です。

12年ぶりの再演となった本作は、配役のバランスも演出も、ほとんど初演と変わりありませんでした。イコール、見どころもツッコミどころも変わりないので(笑)、安心して(?)観劇できました。

新しいトップスターとなった朝夏は…『TOP HAT』のメモでも述べましたが、「宝塚のトップかくありき」という存在感。実力に破綻がない、という強みに加えて、男らしさと柔らかさ、包容力があり、何よりも、気品と透明感が全身に漂っています。

相手役のトップ娘役・実咲凛音との深い信頼関係も伝わってきて、これぞトップコンビ、というお芝居やダンスが見られるのも嬉しい事です。

まぁくん(朝夏)、こんなに正統派なトップさんになられるなんて…(感涙)。いえいえ、もう、「まぁくん」とは呼べませんね。これからは愛と敬意を込めて、「まぁ様」と呼ばせていただきます!!

観劇後は、お友達とお茶しながら、いっぱいおしゃべり。楽しかった~!!お付き合いくださいました皆様、ありがとうございました☆

こういうご縁も含めて、私にとって宝塚歌劇は人生になくてはならないもの=「生きる喜び」だなぁとしみじみ思いました。

ありがとう、宝塚!ありがとう、まぁ様!(≧∇≦)ノシ


宝塚、わが心の故郷…

宝塚ワシントンホテル

宝塚ワシントンホテル

  • 場所: 兵庫県宝塚市栄町2-2-2
  • 特色: ★JR・阪急宝塚駅前の好立地★ 大阪・神戸・西宮・伊丹へ交通アクセスも抜群 〜眺望温泉でゆっくりと〜

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花組東京公演、もとい瀬戸かずや氏初見(笑) [宝塚歌劇]




宝塚花組東京公演を観劇してまいりました。

お芝居『カリスタの海に抱かれて』は、宝塚のロマン(困難な状況の中、2人の男性から思いを寄せられる勝気な女性)を一心に背負ったはずのヒロインに、あまり感情移入できなかった(←脚本の問題)というのもあったのか、「ほぉほぉ、なるほど~」で終わってしまった感があります。作品としてはまとまっているけれど、人物ひとりひとりの描き込みが足りない感じかな?東京では初日が開いたばかりなので、これからどんどん良くなっていく事でしょう。

瀬戸かずやくんは、ヒロイン・アリシア(花乃まりあ)の兄・セルジオ。典型的な島の荒くれ男といった、男くさい役でした☆


瀬戸くん+ヒゲ=押し倒されたい


という公式が発見されたのが、この作品最大の収穫です!(←妄想バカ炸裂)


* * *


ショー『宝塚幻想曲(ファンタジア)』は、とても良かった!!稲葉先生のセンス、大好きです!開演5分前に登場する幕からして、神秘的でキラキラしていて、本当に素晴らしい。

れっきとした洋物ショーでありながら、音楽、衣装、舞台装置など随所に「和」のテイストを巧みに取り込んで、見事に「和洋折衷」を成功させています。

組の名前でもある「花」をモチーフにしながら、日本人が大切にしてきた「四季」の美意識も織り込まれていて、華やかで品があって、これぞタカラヅカ!と世界に胸を張って言えるショー作品です!

それであの…稲葉先生は、球技がお好きなのかしら?前作(『Mr.Swing!』)でも、蘭寿さんが野球してたし…。

瀬戸くんは、ショーでも大活躍でした!球技の場面とラインダンス以外は、ほぼ出ずっぱりでは?というくらいに、たくさんの場面に登場して、踊っています!瀬戸くんのダンスが大好きなので、嬉しい!

まだ初日開けてすぐなので、早替わりもちょっと大変なのかな?登場する時にカフスをつけながら駆け込んで来たり、振りと振りの間に素早くピンマイクをつけなおしたりしていたのですが、、またその仕草が超絶オトコマエなんですよ~!うふふ☆(←盲目)

以前、瀬戸くんのダンスについて、「あれだけ雄弁に語る手の甲はない」と書いたことがあるのですが、今回はさらに手の甲に加えて、


あれだけ雄弁に語る関節と肩甲骨もない

と、思いました。(←真顔)


瀬戸くんは、いつも全力で踊っているので、腕をぐるんと回したり、シュパーンッと投げ出したりする振りのたびに、その勢いのまま腕が抜けて銀河の彼方に飛んで行ってしまうのではないかと、本気で心配しました(笑)。

男役さんは補整をしているので実際には肩甲骨は見えませんが、客席に背を向けてがむしゃらに踊る瀬戸くんの背中を見ていたら、フル稼働する肩甲骨が心の目を通じて見えたような気がします(笑)。

全力でがむしゃらに踊りまくる瀬戸くんも大好きですが、これからは、少し抑制をきかせたダンスも見てみたいなぁと思います。カッコ良さだけでない、美しい男役の踊りが完成されるはず。

これからも、瀬戸くんのますますの飛躍と進化が楽しみです!

花組の皆さん、千秋楽まで、無事に走り抜けてくださいね!


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二人で頬寄せあえば 恐れることは何もない [宝塚歌劇]




2015年4月19日(日) 赤坂ACTシアター 11:00開演


ミュージカル『TOP HAT』(脚本・演出/齊藤吉正)

旅立つスターの円熟した輝きを堪能した翌日は、誕生したばかりの新しいスターの清新な輝きを満喫してきました。

宙組東京特別公演『TOP HAT』。朝夏まなとのトップスター御披露目公演です。

宙組は久しぶりの観劇でしたが、群舞とコーラスで一体感と個性が輝く、私が大好きな「宙組力」は健在!特に1幕ラストのレビュー場面、男役も娘役も黒燕尾に身を包み、一糸乱れぬ圧巻のダンスナンバー!!これぞレビュー!あっこ姐さん(大海亜呼)とすっしー組長(寿つかさ)のキレッキレのダンスも変わらず、嬉しくて嗚咽(T∀T)。

そして、新トップ・朝夏まなとの素晴らしいこと!!歌えるし踊れるし気品があるし、宝塚のトップスターかくありき、とも言える澄明なオーラにあふれていました。

朝夏は、指先の動きがとても優雅です。ダンスの時は勿論、お芝居の最中でも身ぶり手ぶりで見せる指先がひらひらと、まるで蝶の羽のような優美さで機敏さ。その美しく気品のある指先に、惚れ惚れしました。

朝夏を支えるトップ娘役・実咲凛音も見事です。花組時代からの気心知れた2人だからでしょうか、微笑み合うシーンも踊るシーンも、息がぴったり。

1幕、雨の馬場でユニゾンで踊る場面は、どんなに軽やかに激しく動き回っても、2人の間は常に一定の距離が保たれていて、それがまた技量だけでなく、「恋が始まる直前」の、絶妙な距離なのです。その距離を飛び越えた時、ジェリー(朝夏)はデイル(実咲)にキスをして…。やーん!キュンキュンしちゃう!(≧∇≦)

はっ、話がそれてしまいました(←いつも通り)。とにかく、実力のバランスも寄り添った時の雰囲気も、凄く素敵!

実力派ゴールデンコンビの誕生です!!

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旅立つ君を見つめていた [宝塚歌劇]




2015年4月18日(土) 東京宝塚劇場 11:00開演


ミュージカル・プレイ『黒豹の如く』(作/柴田侑宏、演出/謝珠栄)
ダイナミック・ドリーム『Dear Diamond!!―101カラットの永遠の輝き―』(作・演出/藤井大介)

1ヶ月ぶりの東宝で、星組公演を観劇。トップコンビ、柚希礼音&夢咲ねねのサヨナラ公演でもあります。

ショーが素晴らしかった~!!テンポ良く、煌びやかで、品があって、れおんくんだけでなく、星組みんなの個性が随所で輝いていました。

とりあえずツボだったのは、お芝居の佳境、参謀長(柚希)を見失って焦りつつも、カルナバルの空気に乗せられてついつい踊りに興じてしまうラファエル(真風涼帆)くん(笑)。

そして、ショーのWトリオで愛らしい姿で美声を聴かせながらも、オトコマエなウィンクをぶちかましてきた真彩希帆ちゃんに心を撃ち抜かれました(笑)。

まあやちゃん、花組から星組に行っても頑張ってるみたいで、おかーさん嬉しい!!(≧∇≦)(←違)

れおん君は…私が言うのは失礼ですが、「よく頑張ったね」の一言しか出てきません。本当に、ここまでよく頑張ったよ、れおん君…。

同じ季節だからでしょうか、観劇中、1年前の事をしきりに思い出しました。

あの時の、何か張り詰めたような思いで、まばたきすら惜しんで見つめていた舞台。夢のような幸福感と、胸を締めつけられるような切なさにひたすら身をゆだねていた空間。眩い輝きにあふれていた一瞬、一瞬。今では全てが懐かしく、愛おしい記憶です。

れおん君と卒業生、星組のみんなが、千秋楽まで無事に怪我なく駆け抜けることが出来ますように。
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『風の次郎吉』感想(3) [宝塚歌劇]


↑なんと、東京特別公演千秋楽を収録!特別カーテンコールも(たぶん)ノーカットで入っています!

感想(1)はコチラから、感想(2)はコチラからどうぞ。

逃げる治郎吉(北翔海莉)とそれを追う幸(仙名彩世)…第1幕のラストから場面が続く形で第2幕が始まります。

「鼠(鼠小僧)は非道をする」と頑なに思い込んでいるらしい幸の姿に、思い当たることがあった次郎吉。しかし、ここは事件の発端となった「にせ鼠」の真相を探るために、治郎吉と幸は手を結ぶことにします。

この時の2人が掛け合いで歌う場面は聴き応えありましたね~。「夜叉って何よ!」と怒る幸がラブリーでした。



闇の中での芝居が終わると一気にカーテンが開いて、底抜けに明るい神田の街並みが再び!「神田祭」をお祝いして、出演者が総出で歌い踊ります!

次郎吉の親代わり・甚八(夏美よう)と遠山金四郎(瀬戸かずや)が群舞の芯。さすがハッチさん、日本舞踊らしくきちんと腰を落とした踊りが素晴らしかったです!瀬戸くんも、もう少し腰を落とした方が日本舞踊風の踊りは決まるんだけどな~。カッコよかったから、いっか☆(←定例)

手の甲を自分の頬に添えるようにしてポーズを決めるところなんて、最高!きゃは!(←落ち着け)

この場面は、隅から隅までみんなが楽しそうで、客席も大盛り上がり! 思わず私も手を上下左右して踊りそうになるのを、ウズウズとこらえていました(笑)。

そして、堀田家のお嬢様、けい(華耀きらり)についに訪れる、運命の瞬間…!!(笑)

もう、ここは色男・瀬戸かずやの真骨頂!!!


ひょんなことからぶつかってしまったけい様を優しく抱き起したところで、

「キラッ[ぴかぴか(新しい)](←眩い笑顔)


切れてしまったら鼻緒をすげ替えてあげながら、けいと目が合った瞬間に

「キラッ[ぴかぴか(新しい)](←以下略)


挿げ替えた草履を履かせてあげると、けい様を見上げながら、

「キラッ[ぴかぴか(新しい)](←以下ry)


…や、やだ!!

なんて眩しすぎる笑顔なのっっ!!!もう知らないっ!!!(*ノωノ)

↑イケメン笑顔過ぎて客席で取り乱すワタクシ

いや~、もう、こんな爽やかチャラ男に優しくされてしまったら、そりゃ花嫁修業にまい進しますよね~!けい様のお気持ちがよくわかる!

お祭り最中に、しれっと帰ってくる次郎吉と幸。それまで陽気に踊っていた目明しのあやめ(桜咲彩花)が、2人が一緒にやってきたところを見て、ぷぅっと頬を膨らませるのが、可愛かった~。そのあとのソロも、男勝りに十手を振り回す姿とは裏腹の、揺れる女心を切なく歌い上げて、愛らしかったです。

先日の騒動で「鼠小僧」と立ち回り、その正体に気づいた金四郎と、次郎吉の会話がまたね!粋でね!



場面は変わって、鼠小僧の濡れ衣を着せられて捕らえられた三郎太(水美舞斗)が収監されている牢獄。与力・石川(鳳真由)と小松屋(紫峰七海)の悪だくみの全貌が、この場面で明らかにされます。その為に、憧華楼の男衆である勇人(柚香光)をにせの「鼠」として放ったことも。

石川は、憧華楼の太夫・花咲(花野じゅりあ)を我がものにしたいと考えていました。一方で小松屋は、誠実な商売をしていた橋本屋に客も取引先も奪われた恨みがありました。

そこで2人は巷で話題になっている鼠小僧に目をつけ、非道をしないはずの鼠が非道を行った(=橋本屋を殺害)という罪をでっちあげ、花咲の恋人であった橋本屋の番頭見習の三郎太にその罪を擦り付けたのです。そうすれば石川は鼠を捕縛した手柄で北町奉行の座を手に入れ、小松屋も客も取引先も取り戻せる、また小松屋からの裏金で、石川は花咲も身請けできる…という算段でした。

そして、そのために偽りの「鼠小僧」に仕立て上げられたのが、憧華楼の男衆、勇人だったのです。勇人は以前から花咲を恋い慕っており、その気持ちを2人に利用されてしまったのでした。

もう少しで我が望みが叶うとほくそ笑む石川に、すかさず賄賂を贈って持ち上げる小松屋。ここはね~。紫峰さんの凄味が、お見事としか言えません。

「お疲れには甘いものがよろしいかと」と差し出す饅頭の箱の中に隠された小判に飛びつく石川。その様子を氷のように冷たい目で眺めながら、「今後とも、小松屋をご贔屓に」と愛想よく笑って頭を下げる、その老獪ぶり。いやもう…背筋が寒くなるほどの怪演でした。

石川演じる鳳は、その小松屋に転がされている小悪党っぷりがまた秀逸。すべては自分が上手く取り計らったと思い込んでいる偉そうな様子が憎めなくてね~。石川と小松屋がご機嫌に歌う「地獄の沙汰も金次第」は、まさかのブルース調で、歌詞は相当えげつないのに、思わず心がときめいてしまいました(笑)。

一方、牢獄では、痛めつけられた三郎太が恋人である花咲を思って歌います。マイティ(水美)、カッコよかったよ…。同期の柚香が影のある個性的なスターとして成長している中、、水美は正統派で歌えるスターとしての成長を期待しています。

石川の屋敷に忍び込み、一部始終を把握した次郎吉。三郎太に「必ず助けてやる」と固く約束して、夜の闇に消えていきます。



「はい皆さん、お待たせしました」。

菊乃師匠(鞠花ゆめ)の一声で始まるのは、第一部でも客席の爆笑をさらった、三味線のお稽古場。

ですが、真相究明に乗り出している次郎吉と、その協力をしているのであろう幸の姿は見えず。その代わり、道着を脱ぎ捨て色鮮やかな振袖に身を包み、簪をさした堀田のけい様が、得意満面な顔をして座っていらっしゃいます(笑)。

すんごい音痴な三味線を、ご機嫌に得意気に弾くけい様。ほかの者たちはイライラがたまって、堪忍袋の緒が切れたあやめとけい様、大喧嘩になります。

そこへ駆け込んでくる金さん。意中の殿方がやってきて、グイグイと迫ってくるけい様に、金さんもタジタジ。タジタジな金さんも、男前☆(←結局そこに落ち着く)

三郎太の処刑の日が決まったことを次郎吉に知らせに来た金四郎ですが、内偵の紗知(紗愛せいら)から石川が花咲を身請けする為に憧華楼へ向かったと知らされ、ひとまず憧華楼へと向かいます。この時に、着流しの裾をたくしあげて走り去る瀬戸くんのおみ足がとってもきれいでね、うふうふ☆( *´艸`)。

いや~、それにしても、第1幕でも良い味を出していた華耀ですが、第2幕からはさらにその真髄を見せつける芝居をしてくれます。

この場面でも笑いを取る役割の、堀田けい。振袖も簪も、それほど変ではないのですよ。お化粧だって、ふつうの娘役の和物メイクですし。ですが何でしょう、こう、全身からにじみ出る 「滑稽さ」、思わず笑ってしまう「お茶目さ」が何とも言えず巧いのです、華耀は。

特に宝塚の舞台では、こういう役はひたすら面白おかしくハチャメチャをやれば良い、というわけにはいかないと思うのです。それではただの「型なし」です。

宝塚の枠をちょっと外れた「型破り」な役として成立させるためには、自身の中で揺るぎない「娘役」としての心根と、タカラジェンヌとして決して捨ててはいけない「品」を持ち合わせていること。

そのラインを絶妙なラインできちんと守りつつ、この芝居の中での自分の役割を果たすことに徹して、破天荒なお姫様を演じ切った華耀きらり。東京公演の後半には、彼女がお芝居を終えて袖に引っ込むたびに大きな拍手が起きていました。



憧華楼の場面。強引に花咲に迫る石川がいやらしくて最高です(笑)。

三郎太を想って泣き崩れる花咲の前に現れる勇人。花咲と逃げることしか頭にない勇人は、足抜けを花咲に迫ります。

…じゅりあ様、モテモテ!(≧▽≦)

花咲を想う勇人の前に現れる幸。勇人が石川と小松屋に利用されていることを幸ですが、勇人はその真実を受け入れることができません。幸は真実を伝えると、さっと消えるのですが、この時の仙名の身のこなしが本当に猫っぽくてしなやかで、ひそかにツボでした(笑)。



夜は闇に紛れて真相を追及し、昼は江戸の市民の皆さんから情報収集を行う次郎吉。ここでは湯屋大好きの希和(朝月希和)と「かぐ庵」のいぶき(梅咲衣舞)から、湯屋で情報を聞き出します。小松屋の悪徳商売ぶりのこと、誠実な商売をする橋本屋に客を取られていったこと…。裏付け捜査ですね。

これもまた、宝塚ではなかなか見られない入浴シーン!もちろん、演出でうまく対応されていますが、梅咲の腕の使い方がとてもセクシーなのにとても健康的で、上手だなぁと感心しました。



うってかわって、江戸の街並み。鼠小僧にぞっこんのおみや(華雅りりか)ちゃんに一方的片思いの三助(天真みちる)が歩いています。ここでおみやが放った一言が、思い掛けぬ展開に…(笑)。

「あんたが鼠男だったら、結婚してあげても良いわ☆」

…三助の心に、お花畑が広がった瞬間(笑)。



運命の夜。夜の闇に走り出そうとする次郎吉を甚八は止めようとしますが、次郎吉の決意は変わりません。

甚八の体は病に蝕まれていて、もうどうにもならないところまで来ていました。



三郎太の処刑をどうにか覆せないかと、上司の同心・佐久間(冴月瑠那)に詰め寄るあやめたち。しかし、佐久間の身分では、石川にたてつくことなどできません。「へっぽこ同心!」と言われて、気の毒…。

子分たちにツーンとされてしまい、慌ててそのあとを追いかける佐久間。この時の冴月の歩き方が、とても綺麗でした。 すすす、っとすり足のような足の動きがとても滑らかで、日本舞踊の素養がきちんと身についているなと感じました。



とうとう三郎太が処刑される日。息も絶え絶えで縛られている三郎太に、石川が声も高々に火刑を命じます。ところが次の瞬間、煙幕が張られて、縛られているのは小松屋に!そこに幸ふんする女鼠が石川の悪事を暴きます。

そして本舞台からは、ゴンドラ(?)に乗って、鼠小僧・次郎吉が登場!!…と思いきや、なんと三助までが「鼠小僧」を名乗って登場したから、もう上を下への大騒ぎ!その中で突如始まる、大立ち回り!これがまた、カッコよくてコミカルで、本当にショーさながら!

鼠小僧と石川一派、そして鼠小僧を引っ立てようとする同心・佐久間と目明しのあやめたちも加わり、夜の江戸は大混乱!!立ち回りの中でもドラマが動いているので、目も耳も心もフル稼働です!!

逃げようとする石川と小松屋の前に現れるのは、我らが金さん!!


金さーーーーん!!!!(≧▽≦)←とりあえず、心の限り叫んでみる


そこに助太刀として突っ込んでくるのが、もちろん(笑)、堀田のけい様!!


敵の刃から助けようとバランスを崩すけい様を抱きとめる金さんが、超絶オトコマエ!そんな金さんの手をぎゅっと握って、「決めたのじゃ!わらわは貴殿の嫁となることを!」を一大告白しちゃうけい様のいじらしさ!!

やだ、金四郎、恋に落ちちゃった(笑)。

それにしても…昨年の『前田慶次』で、慶次(壮一帆)がまつ(愛加あゆ)の手を握ったまま立ち回りを演じる場面の時も思いましたけど…


立ち回りの最中にこーゆーのがあると、超絶ときめきますよね(真顔)。


※こーゆーの…お察しください

けい様に惚れた金四郎の剣がうなる!!この時の瀬戸くんの立ち回り、鋭くて本当にカッコイイ!!

そんなこんなで(ざっくり割愛)、石川を取り押さえる金さん。のど元にぐっと剣を突き付けて、一瞬見せるいつものいたずらっぽい微笑みがまた素敵でね!(≧▽≦)どうしようかと思っちゃいましたよ!(どうもしない)

ようやく駆け付けた佐久間とあやめに石川を引き渡し、金四郎はもうひとつの真実を確かめるために走り去ります。



金四郎と対峙する次郎吉。ここの立ち回りも、本当に好きでした。2人の気合が舞台中にみなぎっていて。みっちゃん、瀬戸くんを鍛えてくれて、ありがとう…!!

すんでのところで金四郎が次郎吉を追い詰めるところで、突如としてもうひとりの「鼠」が出現し、次郎吉を救います。

その「鼠」こそ、次郎吉の親代わりの甚八でした。そして、幸の親の仇でもあったのです。

かつて、甚八と幸の父親は、ある旗本のもとで密偵として働いていました。人に言えないこともしてきたせめてもの償いにと、甚八は密偵として忍び込んだ大名屋敷から盗んだお金を、江戸の町の人々にひそかに分け与えるようになったのでした。

豆腐屋の吉次(次郎吉の父親)の説得もあって闇稼業から足を洗う決意をした甚八ですが、仕事に忠実だった幸の父親からは厳しく咎められ、もみ合いになるうちに、誤って甚八は幸の父親を殺めてしまったのでした…。

この場面は、本当に息詰まる緊迫した場面で、見ているのも辛いくらいで…。甚八の苦しみも、幸の悲しみも、次郎吉の葛藤も、全てが直球で観客の胸を直撃してくるのです。

「Oh!Edo Night Show」と銘打たれた本作品ですが、この場面を夏美、北翔、仙名が全身全霊で演じ抜いたことで、「芝居」としても見応えのある舞台として成立していました。

「次郎吉。人生ってやつぁ、とてつもなく苦しくて、本当におもしれぇなぁ」。ハッチさんが、ボロボロと涙を零してお芝居をしていらっしゃる姿、初めて観ました…。

3人の思いが夜の静寂へと溶けていく頃、金四郎とあやめも加わり、五重唱へ。

「静寂に抱かれて眠れ…薄紅の朝日が照らし出す明日へ…♪」

自分の役のキャラクターに徹して、優しい笑顔で明るく歌いきる瀬戸が好きです。甚八の苦しみ、幸の悲しみ、次郎吉の葛藤…全てを知って、その思いを受け止めてもなお、朗らかな笑顔で江戸の夜空を見上げる金四郎。その瞳には、明らかに自分の使命を知った強い輝きが宿っていました。

本当に、瀬戸くんの笑顔は優しくて温かいんですよね。まるで木漏れ日のような、ホッとする温かさと優しさ、やわらかさ。イケメンな表情で決める瀬戸くんはもちろん大好きですけれど、ふとした瞬間に見える笑顔が、本当に素敵なひとです。



さて、三助とおみや(←三助を鼠小僧だと信じ込んでいる)はめでたく夫婦となり(笑)、佐久間の旦那も昇進し、かぐ庵は今日も大賑わい。

斎藤先生、全てのキャラクターの全てのエピソードを拾ってキリをつけていたのが素晴らしい手腕でした。まぁ、そのために、全体的に展開が早くて賑々しい印象にはなってしまいましたが…。

石川から奪った金で身請けした花咲を三郎太のもとへ送り届けた次郎吉。彼にも別れの時が訪れます。

両親のもとへ旅立った親代わりの甚八、幕府への出仕を決めた金四郎、そして江戸の町を出ることにした幸…。

どの別れのシーンも爽やかで、希望を持たせるものでした。

そして、一瞬だけ登場したちょんまげ裃姿の瀬戸くんがめっっちゃカッコよかったことを特記しておきます(笑)。猫のアドリブも、可愛かった~☆猫が大嫌いな次郎吉に向かって、「やっぱり鼠は、猫が苦手かニャ☆」と猫の真似をする瀬戸くん、めっちゃ可愛かった!瀬戸くんネコ、今すぐお家に連れて帰って飼い始めても良いですか(←真剣)。

幸との別れのシーンで、「最後に手妻を見せてくれよ」と冗談めかして言う次郎吉。鮮やかな手さばきで、次郎吉の懐からかすめ取った手ぬぐいから小判を取り出してみせ、それをそっと手渡す幸。2人の確かな心の交流が、とても素敵でした。

爽やかな別れがあれば、来るべき春とともに新たな希望も。

幸に背中を押され、「梅は咲いたか…」と心細げに歌うあやめ。その思いを受け止めて「桜はまだかいな…」と応える次郎吉。2人の姿に、そっと頭を下げて立ち去る幸。

新たな春、新たな希望を感じさせて、物語は幕を閉じます。

…よかった…(感動)


幕が下りた後、北翔がこぶしきかせまくりで歌う「大江戸夜飛翔」とともにエンドクレジットが流れます。そして幕開きと同じく活弁士(紫峰七海)が登場してちゃんと作品を締めた後は、 待ってましたのフィナーレ!

まずは、娘役に囲まれて柚香光がセンターで舞います!圧倒的なオーラと華を持つ柚香。もう少し日本舞踊、頑張ってほしいな~。花野・梅咲・華耀の扇の扱いがさすがに流れるような美しさでした。

そして(全私が)お待たせしました!瀬戸くんをメインにした、男役の群舞!!素敵じゃったー!!(≧▽≦)

何が素敵って、ここでついに!


金さんのトレードマーク、桜吹雪キター!!(≧▽≦)



黒の着物を片肌脱いだら、深紅の地に白と銀の桜吹雪が!!キチマサ、ありがとーーーーーっっ!!!(←興奮のあまり演出家を呼び捨て)

そんな瀬戸くんのあまりのイケメンぶりを、口をぽかーんと開けて見ていたら、いつの間にか北翔と桜咲・仙名のトリプル(?)連れ舞になっていました(笑)。

はあぁ~、はあぁ~、瀬戸くん、カッコよかった~…。ごめんなさい、それしか言うことはありません(笑)。

最後のパレードは、「神田祭」~「さよならいつか」~「風をきれ 闇を切れ 悪を斬れ」のメドレーで大盛り上がり!!客席ももちろん、「HEY!HEY!HEY!」とこぶしを突き上げて大盛り上がりでした!

そうそう、「さよならいつか」のパートで、次郎吉が舞台上の人物の間をすり抜けていくのですが、幸との別れのシーンで手渡された小判を、そっと幸に返しているのが印象的でした。その時に交わす2人の笑顔が、また本当に同じ道を歩き、同じ達成感を共有した者同士のそれでした。

最後まで瀬戸くんの事ばっかりで恐縮ですが(でも悔いはない)、けい様とすっかり仲睦まじくなっている金さん。けい様を包み込むような笑顔が、とてもとてもとても素敵です。なんて優しい笑顔で娘役さんを見つめるの、瀬戸くんってば…!!!(赤面)





『風の次郎吉』、本当に本当に好きな作品でした!あっという間だったけれど、素敵な幸せな時間をありがとう!!


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☆妄想☆瀬戸かずや君と行く 和菓子屋デートの足跡をたどる(笑) [宝塚歌劇]

蘭寿さんとの初詣デート(注:妄想)を経て、向かったのは京阪七条。

地下改札口を上がる足どりも軽やかに向かったのは…


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さとし(リス)「やぁ、お待たせ☆」

京都を代表する老舗和菓子屋のひとつ、「甘春堂(かんしゅんどう)」さんです!


…で、トップの写真のさとし君は、いったい誰をイメージしているのかと申しますと…。


コチラをご覧ください。

タカラヅカ・スカイ・ステージ番組詳細 「100年のスピリット#14~甘春堂の干菓子~瀬戸かずや」


宝塚歌劇専門チャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」でシリーズ放送されている「100年のスピリット」。100年以上の歴史を誇る全国の老舗を若手スターが訪れ、その真髄や伝統の技を体験するという番組です。

…もうお分かりでございましょう。

この番組で、現在ワタクシの中でポイント急上昇中の瀬戸かずや君が、この「甘春堂」を訪れたのです。

こ、これが…いやもう、ファンにはたまらない番組展開なのですよ!まずや鴨川の岸辺で待ち合わせ(正確には呼び込み)、本店でお買い物をして、豊國神社の参道を散策し、神社近くにある東店で和菓子の試食と体験教室に参加するという…ナビゲーター役のフリーキャスターの女性が可愛らしく聡明な方で、瀬戸くんと並んで色々と話したりしているのを見ているだけで、

いつしか、自分が瀬戸くんと一緒に和菓子屋さんに来ている錯覚に陥るという、なかなかに(色々な意味で)危険な番組なのです。

そこで今回は、せっかくなので、瀬戸くんとナビゲーターさんがたどった足跡を、ひとり勝手に妄想に浸りながら歩いてみました(笑)。


まずは、鴨川にかかる正面橋にて待ち合わせ~。

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ここで番組冒頭を撮影。


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だいたい、場所は合っていると思います…。


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で、正面橋を渡ったところにすぐに目に入るのが、「甘春堂本店」です。

本当は、白い暖簾をバックに撮影したかったところですが、そこはお店のご都合ですので…。きっと、季節で暖簾が変わるのだろうなぁと思います。

恐る恐る店内に入り…まずは「絶対に買うぞー!」と決めていた干菓子を購入。もちろん、瀬戸くんが試食していたのと同じ形の干菓子をゲットしました(笑)。

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赤い目の入った、うさぎさん☆

かわええ!!かわええよ、うさちゃん!


お店の方より店内撮影許可が出ましたので、瀬戸くんが立っていた場所を激写しまくるワタクシ(笑)。

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小箪笥のように重なっている引き出しの中には、20種類以上のお干菓子が!

フクロウや干支の羊、梅など、季節や吉祥を表現したお干菓子が所狭しと並べられていて、ひとつひとつ見ているだけで心が満たされます。


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本店を辞して、豊國神社の参道をそぞろ歩き~♪


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豊國神社の目と鼻の先にあるのが、「甘春堂東店」です。

ここで瀬戸くんは、和菓子の試食と、和菓子づくりを体験!

ドキドキしながら、そ~っと店内へ入ると…


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うわ~!ここだ、ここだ!

このアングルで、最後のプレゼントコーナーを撮っていました!


東店では、茶房も併設されていて、お茶席やぜんざいなどをいただくことができます。

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奥のテーブルに瀬戸くんが座って、「茶寿器(ちゃじゅのうつわ)」を見て感動していたのですよ~!

すかさず同じ席に座りこんで、お茶席を頼むワタシ(笑)。


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瀬戸シートからの眺め(笑)。

せっかくなので、季節の上生菓子と御抹茶をいただきました。きんとん、美味しかった~!

この階段を上がった2階で、和菓子の試食と和菓子づくりの様子を撮影したそうなのですが、ワタクシが訪れたこの日、ちょうど雑誌の取材が行われていたので、2階には上がることができませんでした。残念~。


瀬戸シート(笑)のちょうど正面向かいに菓子工房があり、1~2名の和菓子職人さんが忙しそう手を動かしていらっしゃいました。

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工房の上には、干菓子づくりに使用する木型がずらり!

勇気を出して、職人さんのおひとりに「あのう…この木型、撮影しても大丈夫でしょうか?」と尋ねたところ、「ああ、ええよ、ええよ、なんぼでも撮ってください」と快諾してくださり、さらに上にかけてあった木型をわざわざ下ろして見せてくださいました。


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昔も今も人気の高い、揚羽蝶。


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蟹さん!甲羅や脚の様子など、細かい!


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左側は菊、右側はミズバショウの花。

木型は湿気と水分を含んでいると干菓子の材料が固まらないので、昔は硬い栗の木などを使用していたそうです。しかし、乾きやすい外国産の木材が大量に輸入されるようになると、その柔らかい材質のためにデザインに幅が広がり、一気に干菓子の種類も増えたのだそうですよ。ダリアの花など、西洋系の植物の意匠も取り入れられています。

「とにかく、お客さんが"これこれこんな型(の干菓子)が欲しい"と言われたら、それを作るのが私らの仕事ですから」と微笑みながら仰る職人さん。

この木型を作ることの出来る職人は、京都ではすでに一桁しかいらっしゃらないのだとか。お話させていただいた職人さんは、実演販売などで東京に行かれることがある時、かっぱ橋に立ち寄って木型を買い込んで帰って来られるのだそうです。


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職人さんが、「今朝、ちゃちゃっと作ってんけどな」と見せてくださった試作品の数々。

右上から、水仙、寒椿、菊、若菜(だったかな…?)、紅梅。

綺麗だなぁ…本当に和菓子って、「五感の芸術」ですよね…。


ひととき、貴重で楽しいお話を聞かせていただいた後は…

瀬戸シートで、瀬戸くんが味わった和菓子を試食しました~!アホだわ、ワタシったらどこまでもアホだわ!!ヾ(≧∇≦*)〃


瀬戸くんが食べた順にご紹介しますね~。

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まずは、豊國神社御用達の銘菓、「豊太閤(ほうたいこう)」。

しっとりとした柚子餡の風味で、さっぱりした味わい。


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野菜煎餅「菜々(さいさい)」。

人参、三つ葉、レンコンなどの京野菜が、煎餅の中に盛り込まれています。

店頭でこちらを注文した時に、「今の季節でしたら桜の花びらを盛り込んだ"桜花せんべい"もありますよ」と言われて、恥ずかしげもなく「宝塚の瀬戸かずやさんが召しあがった方をお願いします☆(キリッ)」と答えたワタシは、テンションが振り切れて針がどこかに飛んで行ってたのだと思います(笑)。


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「夢の京浮橋」。

黒砂糖が練り込まれた求肥に、きなこの風味とくるみの食感のバランスが絶妙!もっちり、しっとりで、満足感のある味わいです。


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そしてお待たせしました、三笠!

「月鴨」の銘を受けたこの三笠。堂主が「うちの三笠は、お茶がいらんくらいしっとりしてるんです」と仰っていましたが…なるほど、その通り!手でちぎった時の感触からしてしっとり!口あたりも柔らかくて、ふわっと口の中になじんでいきます。

つぶあんも美味しい~…。生地も美味しい~…。美味しい~~~~……。(*´▽`*)


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ということで、妄想のままに突っ走った甘春堂さんでのひととき…。

アホみたいに楽しかったです(笑)。


でもやっぱり、和菓子は日本の芸術だなぁ。改めて、和菓子の美しさ、深さを感じる良い機会でもありました。


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『風の次郎吉』 感想(2) [宝塚歌劇]


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感想(1)は、コチラから

先日の感想で書きそびれてしまったのですが、次郎吉(北翔海莉)が、自分と育ての親である甚八(夏美よう)との過去を振り返る芝居の後に、ソロを一曲歌います。この場面の北翔が、すごく綺麗でした…。

「夜空に星が流れる…♪」と歌う場面で宙を仰ぐのですが、潤んだ瞳に照明がキラキラと反射して、美しい表情でした。何度観ても、この時の北翔の歌と表情は絶品であったことを書き残しておきます。



さて、神田にある蕎麦屋「かぐ庵」では、女将のいぶき(梅咲衣舞)と店で働く娘・みや(華雅りりか)ときわ(朝月希和)が忙しく働き、気心の知れた仲間達が集っています。

ここの「HEY!HEY!かぐ庵!HEY HEY HEY!」という歌が結構クセになります(笑)。そう、全体的にこんな雰囲気のポップな作品です☆

ポップと言えば、鬘。男役たちは基本的に青天ですが、娘役たちは各自で鬘に工夫をこらしていました。

基本的に当時のように髷を結っているのですが、編み込みしたり、悪目立ちしない程度にメッシュをしてみたり。下げ髪の堀田けい(華耀きらり)も、サイドにいくつも編み込みをしていました。伝統的な島田髷にしていたのは、三味線の師匠・菊乃(鞠花ゆめ)くらいだったかな?うん、菊乃師匠はそれが良いよ!あまりに奇抜な髪型は拒否反応が出てしまいますが、一応、時代らしさは残しつつ、各自で凝った髪型に作り上げているところが良いなぁと思いました。

この「かぐ庵」は、主要キャストのほとんどが揃う場面でもあります。メインは舞台真ん中に掛けてある暖簾をかきわけて入ってくる演出。目明かしのあやめ(桜咲彩花)が手下の真吉(真輝いづみ)と正太(和海しょう)を引き連れて登場し、橋本屋の番頭見習い・三郎太(水美舞斗)は涼やかな美青年ぶり。マイティー(水美)、肩がしっかりしているから、着流しに羽織がよく似合います。

また、この場面では、鼠小僧を運命の相手だと信じるみやと、彼女に猛烈アタックする三助(天真みちる)のやりとりも見逃せません。この2人のやりとりは後々まであって、客席を沸かせていました。

そして待ってましたの次郎吉(北翔)が登場!!実はあやめは次郎吉に思いを寄せていますが、次郎吉は気付いてるんだか気付いていないんだか。

いつもは手下を連れて威勢の良いあやめが、次郎吉の前ではとっても「恋する女の子」になちゃうのが、すご~く可愛かった!次郎吉さんを見る時はニコニコしているし、モヤッとしたことがあるとプゥッとふくれちゃうし。べーちゃん(桜咲)、ラブリーでした☆

そこへ!


粋なテーマソングとともに、ひときわ涼やかな瞳をした、眉目秀麗な浪人風情の長身の超イケメン(←強調)が、「かぐ庵」の暖簾をくぐってきます。


そうです、遠山金四郎こと、瀬戸かずやの登場です!ヾ(*≧∀≦)ノ彡☆バンバン!!

「かぐ庵」に集う女たちのテンションはうなぎ上り。またたくまに金四郎を取り囲みます。その中で、下手端で飲んでいる紗知(紗愛せいら)だけは冷静にその様子を見つめています。

金四郎は、懸賞金欲しさに鼠小僧を追いかけていると女たちに話します。離れたところからその様子をうかがっていた次郎吉は、金四郎を呼び、一緒に飲もうと誘います。次郎吉が自分以外のものに興味を持って行かれたと悟ったあやめは、プンスカ。やけ酒をあおります(笑)。

次郎吉と金四郎は酒を酌み交わしながら意気投合。この時の金四郎の「笑い」が良いんですよ~!ヾ(*≧∀≦)ノ彡☆バンバン!!

次郎吉と話をしている時は男同士だけで見せる気の置けない豪快な笑い、「この店は良いなぁ、酒は美味いし、綺麗な女がたくさんいるし」といぶきに聞こえるように言う時のいたずらっぽい笑いが!

瀬戸くんの「笑い」って、温かくて優しくて、見るだけでこちらも嬉しくなってしまいます。

そこへ突然、店の仲間でもある同心・佐久間(冴月瑠那)が血相を変えて「かぐ庵」に飛び込んできます。続いて、手下たちを引き連れた南町奉行所筆頭与力・石川一馬(鳳真由)が。ただならぬ雰囲気に、静まりかえる店内。

このとき、そっと顔を後ろに背ける瀬戸くんの背中が、大きくて広くて男らしくて素敵です。抱きついて良いですか。(←真剣)

石川は「鼠小僧が人を殺めた」と言い放ち、その殺人の犯人、すなわち「鼠小僧」を三郎太だと決めつけます。人違いであるとの訴えもむなしく、三郎太は連行されてしまいました。

本物の「鼠小僧」である自分の目の前で。何の罪もない友人が、謂われのない罪で裁かれようとしている…次郎吉は金四郎と結託し、真相究明に乗り出します。

ここで、金四郎のソロ。悠々と歌い上げる瀬戸くん、すごーく素敵でした!やっぱり、瀬戸くんの笑顔が大好き!「桜吹雪に踊れ踊れ♪」で右手をひらひらとさせるときの微妙なぎこちなさも大好き!!不器用だけどいつも笑顔な瀬戸くんが大好き!!ヾ(*≧∀≦)ノ彡☆バンバン!!

この場面は、とにかくオペラグラスで瀬戸くんの笑顔を追いかけるの必死で、歌詞をあまり聴いていません(笑)。人間、1つの感覚に集中しすぎると、他の感覚がおろそかになるのですね!(笑)。

瀬戸くんの、じゃない金さんの歌が終わる頃に、すっと静かに控える紗知。なるほど、そう言う事か!紗知は金さんに使える密偵(?)のような役割を果たしていたのですね。ねえねえせいらちゃん、その役目、私が替わるよ?替わるよ!




そして、みんな大好き三味線の稽古場面!(笑)

菊乃師匠のもとで、次郎吉が神田の御馴染の連中が三味線を習っているところに、先日大立ち回りを繰り広げた手妻師の幸(仙名)と再会し…。

この場面は、北翔と天真みちる、鞠花の三味線と、息での掛け合いがもう面白くて面白くて!

鞠花は端唄「梅は咲いたか」を歌うのですが、また素晴らしいのです。本当に、江戸時代にこんなおっしょさん(お師匠さん)、いたんだろうな~と思わせる雰囲気。

菊乃師匠も、色男の次郎吉にぞっこん。この時に北翔が歌う「お師匠さん浮気でしょんがいな」と、続きを歌うのですが、これは元の歌詞が「山吹ャ浮気で しょんがいな」なのですね。そこを敢えて「お師匠さん」と歌わせる演出と、わざと色っぽく歌う北翔の芸達者ぶりに脱帽です。



三味線の楽しい楽しい場面から一転、舞台は暗く緊迫した空気に。

鼠小僧として捕えられた三郎太に対して、石川による激しい尋問が続けられています。その傍らには、廓「憧華楼」の男衆・勇人(柚香光)の姿が。決定的な証拠として、勇人は橋本屋殺害現場に落ちていたという三郎太の手ぬぐいを見せつけます。

この場面は、鳳の凄み、紫峰の陰湿な表情が圧巻。水美と冴月の演技も秀逸でした。

マイティ…痛めつけられている顔が…美しかった…(←不謹慎)。

佐久間演じる冴月も好演。行きつけの店の常連仲間である三郎太をどうにかして救いたいと右往左往しつつ、上司である与力・石川に「まだ、証拠がないではありませんか」と食い下がる時の必死さ、証拠が出てきたと知らされた時の「これは俺も…庇いきれねぇぜ…」と言う声の落とし方…。どうにも悪い方向へ向かっている状況とは言え、無実の罪に落とされた三郎太の傍に、この人がいてくれて良かった、と思わせる存在感でした。



齋藤先生らしく、場面の空気はくるくると変わります。楽しい場面→重い場面と続いて、再び明るい場面。観客も気持ちの切り替えが大変です(笑)。


この場面は、次郎吉をめぐる女2人の攻防→なぜか乱入する堀田のけい様→爽やかに登場する色男・金さん→色男が2人そろったので盛り上がる神田界隈、という構成となっております。


次郎吉に首ったけのあやめと、彼が少しだけ気になる存在になりつつある幸。真ん中に挟まれた次郎吉をもみくちゃにして言い争う場面は、毎回客席が爆笑でした(笑)。

それに対する次郎吉のリアクションも毎回ちょっとずつ違っていて、楽しかった~!ここだけ。なぜかオネエ口調になるんですよね、次郎吉(笑)。

「もうっ!あんた達、女の子なんだからもうちょっと優しくしてっ!」とか、「やめてっ!やめてっ、これ以上やったら乱れちゃうじゃないっっ!」とか(笑)。北翔のアドリブを堪能する場面でもありました♪

そこへ、「三郎太に鼠小僧だという証拠が見つかった」と知らせにくるあやめの手下達。あやめは後ろ髪を引かれつつも、仕事へ戻ります。後に残された次郎吉と幸は、鼠が非道(殺し)をするかしないかで口論に。「鼠は非道をするわ」と頑なに言い張る幸。

はい、そこへご登場ですよ、みんな大好き、堀田のけい様!!口論している次郎吉と幸を見つけたけいは、2人の間に子どもが出来たと盛大に勘違い(笑)。

何だろう、この堀田家のある意味タイミングの悪さと思い込みの激しさ(笑)。ま、けい様はこのタイミングの悪さと思い込みの激しさが功を奏する事になるのですがね♪

堀田家の2人が嵐のように去って行った後、「じーろさんっ♪」とご機嫌良く登場するのが、金さん!!次郎吉から手妻の幸を紹介されて、「今度、あんた達の手妻を見に行くよ」と声をかけるのが、いかにも色男ですよね~☆

でもね、実は金さん、少し前から、すでに舞台上にはいるのですよ~。上手奥にある蕎麦屋さんでお蕎麦を食べているのです!!しかもそのお蕎麦の食べ方も、とってもとってもかっちょいいのです☆

上手袖からぶ~らぶ~らとやって来ると、「お!そこの色男さん、蕎麦はどうですか~」と声をかけられる金さん。かき揚げ蕎麦を注文する金さん(←筆者の妄想)。つるっと粋に蕎麦をすする金さん。そうしている間にも近寄ってくるカワイコちゃん達の相手をしてあげる金さん。時にはかき揚げを「あ~ん」して食べさせてあげちゃったりして!

やだ、瀬戸くん!!


瀬戸くん、私にもオムライスを「あ~ん」してー!!ヾ(*≧∀≦)ノ彡☆バンバン!!(←妄想振り切れた)


※オムライス…瀬戸くんの得意料理。これをネタにスカイステージ内で番組が1本作られた程に、その美味しさはタカラジェンヌをも魅了している。


はっ、閑話休題(←定番)。

とにかく、そうして舞台奥で芝居をしながらも、ニコニコしている瀬戸くん、いや金さんを見ているだけで、幸せでした~☆はう~☆

さて、本編に戻って、奉行所にも人脈のある金さん、与力・石川が「憧華楼」に足しげく通っていることを告げます。ここで次郎吉と金さんは、それぞれの目的を果たすべく結託することを誓い、酒を酌み交わすのでした。



次の場面は、鼠小僧にまつわる暗い記憶を背負った幸のソロ。

ここは仙名の独壇場。立ち三味線で弾き語りながら、情感を込めて歌いきるとはお見事!!桜一花、華耀きらりの後、「花組娘役」の看板を背負う事ができるのは、仙名と桜咲が筆頭だと思います。



三郎太を救うことを決意した次郎吉と、病を抱えている親代わりの甚八。早く裏稼業から足を洗ってまっとうな生き方をして欲しいと思う甚八と、今を駆け抜けることしか頭にない次郎吉。お互いを思う心は一緒なのに、それを上手く相手に伝えることが出来ない…。切ない場面です。



一方、金さんは、石川に接近。Pちゃん(鳳)、ふてぶてしくて好きだわ~!「さっすが石川様!」と持ち上げる時にぴょんぴょんしちゃう瀬戸くんも好きだわ~!

石川が去った後、あやめ達と行き合う金さん。「おう、かぐ庵の色男」と呼びかけられて、「これは、べっぴんの目明しさん☆」と返すところが、いかにもいかにも色男!!ヾ(*≧∀≦)ノ彡☆バンバン!!

こうして、今回の脚本は、金四郎のちょっとした科白がいちいちモテ男っぽく書かれていて、それも女心をくすぐられて、嬉しかったです(笑)。



場面は甘くふくよかな空気に包まれた遊郭「憧華楼」。

遊女・花咲(花野じゅりあ)が三郎太を思って歌います。


じゅりあ様…可憐過ぎる…!!(震撼)


この時の出演者では最上級生の娘役であるはずなのに、何だこの可憐さ…!!

身のこなしもしなやかで美しいし、儚げで優しくて…女子力も高くて…!!

そんな花咲の身の周りを守る男衆として勤めていたのが、勇人だったのですね~。なるほどなるほど。

そりゃ、この世界でも清らかさを失っていない花咲に、「いつも花咲を守ってくれんした」と肩に寄り掛かられたら、「いつまでも、これからも守ってやる!」ってなっちゃいますよね、勇人の気持ちがよく分かるわ。

花咲は、橋本屋の番頭見習い・三郎太と相思相愛の仲でした。

そう、もう種を明かしますが、この事件は花咲を手に入れるため、そして橋本屋を潰すために、石川と小松屋が結託して仕組んだ事だったのです。勇人もまた花咲に思いを寄せていて、石川と小松屋は彼の恋心を利用したのですね。

憧華楼に忍び込んた本物の鼠小僧・次郎吉は、そこで花咲とばっちり顔を見合わせ、吃驚仰天。なんと花咲は、次郎吉が幼い頃に心を通わせた初恋の相手・かよだったのです!でも、(頭巾をすっぽり被っているとは言え)、かよは次郎吉のことを全く思い出さないのでした…(汗)。

この時に頭を抱えて狼狽する次郎吉が、超~かわいかった!初恋の相手に惚れた男を助けてくれと泣き疲れてオロオロするところも、北翔らしくテンポがちゃんとあって、流石でした。

しかし、その場を勇人に見つけられ、鼠小僧は夜の江戸へと駆け出します…。



目明しのあやめ達、勇人、佐久間の旦那、石川、かぐ庵の面々、堀田家…江戸の人々を巻き込んでの大乱闘へ!

ちゃんと、キャストがちゃんと少しずつ登場して、逃亡劇と立ち回りが繰り広げられるのが、齋藤先生の愛を感じます。湯屋好きのきわちゃん(朝月希和)とか、菊乃師匠とか。キチマサ先生、ありがとー!

その大混乱の中、突如として次郎吉の目の前に立ちふさがる女鼠、幸。そして遠山金四郎。

激しい立ち回りの中、金四郎と幸はついに、鼠小僧の正体を知るのです…。

鼠小僧は客席から逃げ去り、幸も鼠の後を追って客席を走って去っていきます。その後を本舞台から見送る金四郎。

キリッとポーズを決めて、次郎吉と幸を鋭い眼差しで見送る金さん…いや、瀬戸くん。


瀬戸くん…眩しかった…!!ヾ(*≧∀≦)ノ彡☆バンバン!!(←それしかないのか)(←それしかない)


ここで、第1幕は終了~!

瀬戸くんの眩しさと麗しさに呼吸困難になりかけた心身の調子を整えて、第2幕に備えましょう(笑)。


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華、耀く ~花組退団者~ [宝塚歌劇]

2015/01/29配信

花組退団者のお知らせ

下記の生徒の退団発表がありましたのでお知らせいたします。

(花組)

華耀 きらり
神房 佳希
桜帆 ゆかり
夢花 らん

2015年6月14日(花組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団


公式サイトより


***


『風の次郎吉』での突き抜けた演技から、予感はしていましたが…。堀田家…。

花組が誇る娘役のひとりが、また旅立ってしまうことは、本当に寂しいです。

ファム・ファタールもコメディエンヌも品格をもって演じきれる、貴重な存在だったきらりちゃん。その芸名の通り、卒業までの道のりが、花が咲き耀くような光と愛に包まれていますように。

同時に卒業される皆さんも、ファンの皆さんも、悔いの無いように、旅立ちまでの日々を過ごされますように。


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宝塚歌劇花組東京特別公演 『風の次郎吉―大江戸夜飛翔―』 感想(1) [宝塚歌劇]

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2015年1月22日(木) 日本青年館 18:30開演

作・演出/齋藤吉正
作曲・編曲/青木朝子
振付/花柳寿楽、AYAKO
殺陣/清家三彦
装置/國包洋子
衣装/加藤真美
照明/佐渡孝治
音響/大坪正仁
小道具/三好佑磨
三味線指導/今藤和歌由
手妻指導/キタノ大地
映像コーディネート/日本パルス
映像デザイン/佐川明日香
演出助手/指田珠子
舞台進行/押川麻衣

「OH! Edo Night Show」というサブタイトルの通り、まさに大江戸八百八町を縦横無尽に駆け抜けるミュージカルショー!

どの生徒もしっかりと見せ場をもらっていて、どの役もしっかりと愛情をもって書き込まれていて、そのことが本当に嬉しかったです。まるでジェットコースターに乗っているかのように爽快感とワクワク感満載のステージでした。


【あらすじ】

時は江戸時代後半、江戸の町は「鼠小僧」の話題で持ち切り。鼠小僧とは、私腹を肥やす武家屋敷や商家だけを狙って金を盗み、その金を江戸の庶民に分け与えるという義賊。与力の石川(鳳真由)や同心の佐久間(冴月瑠那)、女目明しのあやめ(桜咲彩花)や岡っ引きの真吉(真輝いづみ)と正太(和海しょう)たちは、夜な夜な鼠小僧を追いかけてはあともう一歩のところで逃してしまいます。

鼠小僧の正体は、鳶の次郎吉(北翔海莉)。幼い頃に強欲商人と悪徳旗本の陰謀で両親を亡くし、大工の甚八(夏美よう)に育てられた次郎吉は、両親や初恋の人を奪った悪徳商人や悪徳武家への復讐のため、鼠小僧として裏稼業を行っているのでした。

ある日、次郎吉は神田明神前で手妻芸を見せる芸人一座と出会います。中心となって鮮やかな手妻を見せるのは、幸(ゆき:仙名彩世)。ところが幸たちは、手妻とともにインチキな「ガマの油」を庶民に売りつけていたことから次郎吉と口論となります。旗本の息女ながら男まさりの堀田けい(華耀きらり)も乱入し、神田は上を下への大騒ぎに。

次郎吉やあやめ、次郎吉の相方・三助(天真みちる)など仲間たちが集う蕎麦屋「かぐ庵」。あやめは次郎吉に思いを寄せているのですが、次郎吉はとんと気づきません。そんなかぐ庵に、1人の見目麗しい浪人風情の男がやってきます。遠山金四郎(瀬戸かずや)と名乗ったその男は、懸賞金欲しさに鼠小僧を追いかけていると話します。

意気投合した次郎吉と金四郎が酒を酌み交わしているところへ、突然、与力の石川が「かぐ庵」に突入してきます。「鼠小僧が人を殺めた」というのです。殺されたのは、江戸では新参の呉服屋・橋本屋の主人。そして、その犯人、すなわち鼠小僧だと決めつけられて縄を受けたのは…「バカがつくほど生真面目」と「かぐ庵」の女将・いぶき(梅咲衣舞)や娘たちからも評判の高い、橋本屋の番頭見習い・三郎太(水美舞斗)でした。

目の前で、明らかに「鼠小僧」ではない友人が縄をかけられて連行されていく、そして自分-「鼠」は人を殺めたことは一度もない…次郎吉は、金四郎とともに事件の究明と三郎太の救出に乗りだします。

ひょんなことで幸と再会した次郎吉。話をしているうちに話題は「鼠」のことに。なぜか幸は、「鼠は非道をする」と頑なに言い張ります。

調査を進めるうちに、次郎吉と金四郎は、与力の石川が吉原の「憧華楼」の花魁・花咲(花野じゅりあ)のもとに足しげく通っていること、また憧華楼の男衆・勇人(はやと・柚香光)と頻繁に密会していることを知ります。その花咲は、三郎太と将来を誓い合った仲であり…次郎吉が初めて恋心を抱いた、幼馴染でもありました。

誰が橋本屋を、何のために殺めたのか?

友を救い出し、かつて惚れた相手の恋を成就させるため、そして己の名誉挽回のため、次郎吉は「鼠小僧」となって、江戸の夜に現れます。そこへ「女鼠」も登場し、さらに事態は多くの人を巻き込んでいきます…。


【カンゲキレポ】


楽しかった―!!ヾ(≧∇≦*)〃キャホーイ!


…の一言に尽きます!ディズニーランドのショーアトラクションを見ているようなワクワク感、といったら伝わるでしょうか?観劇前、休憩中、終演後も趣向を凝らした演出がされていて、初見終了後、思わず座席で万歳三唱したくなったほどです(しなかったけど)。

いやもう、ポスターからして楽しそうじゃありませんか!イケメンに美女がそろい踏みしていて、期待しか抱かせないデザイン。瀬戸くんが超カッコイイし!(←結局そこ)(←いやいや最重要)



幕が上がると、活動弁士(紫峰七海)が「鼠小僧次郎吉」の活躍をテンポ良く語り始めます。紫峰は、本編では小松屋太兵衛を演じていますが、これもまた怪演でしたよ~!

紫峰が活動弁士として語っている間、舞台にはスクリーンがかかり、そこに映像が大写しになります。鼠小僧(北翔)をあやめ(桜咲)や石川(鳳)らが追いかけている、その鼠にいぶき(梅咲)はかぐ庵で働く娘・みや(華雅りりか)ときわ(朝月希和)が黄色い声援を送っている様子などが映ります。

与力や目明したちが鼠小僧を追いかけていくところで映像が終わり、スクリーンが払われると、江戸の町と、あやめたち目明しや同心たちが登場し、下手舞台奥の階段セットに、黒い人影-鼠小僧次郎吉が板付いています。舞台天井から下手にかけて、網のような幕が垂れ下がっていて、あともう一息で鼠が縄にかかる…という瞬間を演出。

ここであやめと鼠の科白の応酬があるのですが、歌舞伎調で面白いです!べーちゃん(桜咲)の「今日こそお縄にィ、ア、つきやがれェ」という科白回しが、とっても良かった!

ここで鼠がバンッと決め台詞を放ったところで網が落ち(突破されたということですね)、スポットが当って、鼠小僧次郎吉、見参!ここから一気に、キャスト総出演のプロローグになだれこんでいきます!

ここでも映像が使用されます。今度はプロのデザイナーによる鼠小僧次郎吉・遠山金四郎・手妻の幸・目明しのあやめのイラストと、役を演じる生徒の名前がどーんと出ます。いわば、ドラマやアニメのオープニングクレジット。またこのイラストがアメコミ風味で、良い味出しているんですよ~。

プロローグがね~、また本当にカッコ良かったのよ、奥さん!(←誰)

みんなちゃんと役になりきって踊っていて、それでいて、センターに立つ北翔を全力で盛り上げて。その中で踊る北翔は、押し出しも強くて、圧倒的なオーラで劇場全体を自分のものにしてしまいました。

そして、登場!!瀬戸くん!瀬戸くーん!!ヾ(≧∇≦*)〃

あ、違うや、金さーん!!(←手遅れ)

瀬戸くんも、下手舞台奥に組まれた階段セットから登場します。笑顔が眩しい!!

でもね、この時はちょっと、北翔よりは押し出しが弱いな~と思ったのも事実です。もっとこう、舞台の奥から登場した時でも、瞬間的にスポットの光すら跳ね返すようなパワーを感じたかったなぁ。そのテクニックを習得した時、瀬戸かずやは押しも押されぬスターになると思います。

舞台前方に出てきてセンターで踊る姿は、とてもカッコ良くて素敵!!何がどうカッコイイのか分かりません。とにかくカッコイイ!!それだけです!!あの金四郎、フィギュアにしてお家に持って帰っても良いですかっっ!!(←超真剣)

そして再び北翔が登場して、総踊りへ。センターでカッコ良くキメキメで踊る瀬戸くんが大好きですけれども、センターのトップさんに向ける瀬戸くんの笑顔も本当に素敵です。なんというか、瀬戸くんの笑顔は、彼が持っている本来の人柄の良さがにじみ出ているんですよね。「ほんまにええ人なんやろうな~」って思いますもの(笑)。

主題歌も、疾走感があってドラマチック。コーラスでずっと「OH! Edo Night Show~♪」と歌っているので、そのメロディーがすっかり耳に残って、ついつい口ずさんでいる今日この頃です(笑)。

齋藤先生は、ショーでも芝居でも、プロローグの演出が本当に秀逸だと思います。ちゃんとメインが順当に登場しつつ、どの役(キャスト)も決して埋もれず、そしてこれから始まる物語への期待感が最大限に膨らむような演出。『TAKARAZUKA∞夢眩』のプロローグも、本当に素敵だったもんなぁ…(←胸に広がる甘酸っぱい想ひ出)。



さて、本編は、まずいきなり過去の記憶から始まります。手妻の幸と次郎吉を結びつける、苦しい過去。

そこから再び舞台は一気に明るくなり、場所は神田。手妻の幸(仙名)率いる「幸福一座」の手妻芸が開催されています。周囲には、後に観客にとっては愛おしくてたまらない存在となる(笑)、「かぐ庵」に集う人たちがうろうろ。柚香光くんも、別役でこっそり出ていたりします。

手妻というのは、日本に古来より伝わる手品のこと。仙名は毎回、手妻を本気で見せていました。何の仕掛けもない箱から、色とりどりの布が出て来たり、さらに布の中から傘が何本も出て来たり!すごい!!

私が観劇した回では失敗もなく、スムーズにこなしていましたよ。歌もダンスもお芝居も言う事なしで、芸達者!良い娘役さんに成長したなぁ~…。

幸のアシスタント的存在である、一座の奈津(更紗那知)と波留(春妃うらら)も、めっちゃ可愛かったです☆明るい色の脚絆がまたキュート!動きが小動物のようで、ぴょこぴょこ動いたり跳ねたりする様子が可愛くてたまりません!金四郎フィギュアとともに、マスコットにしてお家に飾っておきたいくらいでした(←ちょっと真剣)。

手妻で江戸の庶民たちの心をがっつり捉えてから、どんな傷でもたちまち回復するという万能塗り薬「ガマの油」を売りつける幸たち。そこでイカサマを見抜いていた次郎吉が登場して、ひと悶着起こります。

次郎吉と幸が口論を繰り広げている間に、後方の階段セット(この場面では橋の役割を果たしています)から、じいやの本田吾助(神房佳希)をお供に、堀田家の姫君・けい(華耀)がやってきます。剣術の道場に通う男勝りのけいは、髷を結わず下げ髪にして、装いも袴姿。これが、「あるお方」との出会いで劇的に変わるのですが…。

華耀きらり、一癖も二癖もある男勝りのお姫様を、突き抜けた演技で見せてくれました!芝居が進むうちに、けいが出てくるだけで、客席には何かを期待してしまう空気が(笑)。そしてその空気を絶対に裏切らない芝居!また間の取り具合も本当に上手い!それでいて、「宝塚の娘役」としての品は絶対に失くさない。そのバランスが本当に素晴らしくて、観ていて気持ちが良かったです!!『ラスト・タイクーン』でも見せた「宝塚のコメディエンヌ」としての本領を、思う存分発揮していました。

次郎吉と幸の口論を、なぜか恋人の痴話喧嘩と勘違いしてしまったけい。真剣を取りだした幸と、逃げ回る次郎吉との間に、腰にさげていた木刀を持って果敢に割り込みますが、混乱の中で間違えて次郎吉に一撃お見舞いしてしまうのでした…。



次郎吉の育ての親で大工の甚八(夏美)の長屋へ、けいに介抱されながら次郎吉が帰って来ます。あ、一緒に殴られてしまった三助も、吾助に背負われてやってきます(笑)。ここの2人のおかしさは、私のつたない文章では表現できません。DVDをお買い求めください(笑)。

夜の稼業である鼠小僧を止めてほしい甚八と、口答えして家を飛び出していく次郎吉。自分の業をそのまま次郎吉につがせてしまったと、甚八は悔やみます。そう、実は甚八こそが最初の「鼠」だったのです。



かつて甚八は大工稼業の裏で、旗本屋敷の密偵として働いていました。江戸の市民でありながら市民を裏切るような行為をしていた甚八は、せめてもの償いと、密偵に入った武家屋敷や商家で銭を盗んでは、貧しい人々に密かに分け与えていたのです。

その事を知っていたのが、甚八と同じ長屋に住んでいた次郎吉の両親、吉次(亜蓮冬馬)とよしの(美花梨乃)でした。2人に諭され、甚八は裏稼業から足を洗うことを決意したのです。しかし、密偵仲間であった助佐は元の世界に戻ろうとする甚八を咎めます。助佐ともみ合いになり、誤って刺してしまったことだけが、甚八の悔いとなって残っていました。

そして、次郎吉の両親も思わぬ陰謀に巻き込まれます。腕の良い豆腐屋であった吉次は、その評判が武家にまで届き、さる旗本の会合の席に豆腐を供することになります。ところが、吉次の評判と人気に嫉妬した別の店の陰謀で、吉次は豆腐に毒を盛ったという罪をなすりつけられてしまいます。吉次は申し訳もできないまま即刻とらえられ、処刑されてしまいました。

吉次の店は取り潰しとなり、絶望したよしのは、「次郎吉を頼む」という書き置きを残して、川へ身を投げてしまうのでした。こうして天涯孤独となった次郎吉を甚八は引き取りますが、次郎吉は反発してばかりで、まったく懐こうとしませんでした。

物語の中で、唯一納得がいかなったのが、このエピソードかな…。甚八が男手ひとつで次郎吉を育てることになる、というきっかけが必要だったのだと思いますし、大黒柱を理不尽な方法で喪ってしまったショックが大きかったのでしょうが、自分の子どもを、ただ一言「この子をよろしく」と書いた手紙だけ置いて他人に任せ、ひとりで死んでしまうのは、ちょっと勝手かな、と…。

もし私だったら、次郎吉ともども川に飛び込もうとするよしのを、必死に甚八が止める。けれどもそれを振り切って、よしのは次郎吉と一緒に川に飛び込んでしまう。親子を助けるべく、甚八も川に飛び込んだけれども、助けることができたのは次郎吉だけだった…という流れにします。そうすると、次郎吉には「何で自分だけ助けたのか、何でおっかさんを助けてくれなかったのか」という気持ちが残り、甚八にたてつくのも納得できるような展開になったと思うのですが、如何でしょう?

甚八には反発してばっかりだったけれども、隣長屋のかよ(花野)とお互いに恋心を抱くようになった次郎吉は束の間の幸せを感じます。しかし、かよは借金のかたに吉原へ売られていったのでした…。

全ては金の為、欲の為に、罪もない人々が理不尽で苦しい目に会うのだと憤った次郎吉は、自分や両親、かよを追い詰めた悪徳武家や強欲商人に復讐するべく、「鼠小僧」として夜の稼業に足を踏み出すことを決意したのでした…。



さて、甚八と言い争いしてむしゃくしゃした気分になった次郎吉がなじみの蕎麦屋「かぐ庵」で一杯飲みなおそうと家を出た頃、江戸の闇夜では、ある殺人が行われたのでした…。

今回は、これにてごめん候!(By石川)

ちょ、瀬戸くん全然出てきてへんやん!!Σ(゚д゚)


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さよならいつか [宝塚歌劇]

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花組東京特別公演『風の次郎吉』千秋楽、おめでとうございます。

前楽を観劇しました。次郎吉、金さん、神田や江戸に住むみんなにもう会えないと思うと寂しくて、そんな風に思えるまでに役を徹底して演じ切ってくれた北翔や瀬戸、花組のみんなが愛おしくて、そしてこんな楽しくて素敵な作品に出会えたことが幸せ過ぎて、フィナーレでは思いっきり手拍子しながら、「HEY!HEY!」って乗りながらも、号泣しちゃいました(笑)。

ええ、DVDを即予約しましたが、何か?(笑)


え~、それでは、定例のあれを…




瀬戸くん、震えるほどにイケメン!! ヾ(≧∇≦*)〃キャー☆




イケメンと 書いて読ませる 瀬戸かずや 

 男ざかりに 舞う花吹雪

  (とろりん 万感の一句)


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