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『風の次郎吉』 感想(2) [宝塚歌劇]


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感想(1)は、コチラから

先日の感想で書きそびれてしまったのですが、次郎吉(北翔海莉)が、自分と育ての親である甚八(夏美よう)との過去を振り返る芝居の後に、ソロを一曲歌います。この場面の北翔が、すごく綺麗でした…。

「夜空に星が流れる…♪」と歌う場面で宙を仰ぐのですが、潤んだ瞳に照明がキラキラと反射して、美しい表情でした。何度観ても、この時の北翔の歌と表情は絶品であったことを書き残しておきます。



さて、神田にある蕎麦屋「かぐ庵」では、女将のいぶき(梅咲衣舞)と店で働く娘・みや(華雅りりか)ときわ(朝月希和)が忙しく働き、気心の知れた仲間達が集っています。

ここの「HEY!HEY!かぐ庵!HEY HEY HEY!」という歌が結構クセになります(笑)。そう、全体的にこんな雰囲気のポップな作品です☆

ポップと言えば、鬘。男役たちは基本的に青天ですが、娘役たちは各自で鬘に工夫をこらしていました。

基本的に当時のように髷を結っているのですが、編み込みしたり、悪目立ちしない程度にメッシュをしてみたり。下げ髪の堀田けい(華耀きらり)も、サイドにいくつも編み込みをしていました。伝統的な島田髷にしていたのは、三味線の師匠・菊乃(鞠花ゆめ)くらいだったかな?うん、菊乃師匠はそれが良いよ!あまりに奇抜な髪型は拒否反応が出てしまいますが、一応、時代らしさは残しつつ、各自で凝った髪型に作り上げているところが良いなぁと思いました。

この「かぐ庵」は、主要キャストのほとんどが揃う場面でもあります。メインは舞台真ん中に掛けてある暖簾をかきわけて入ってくる演出。目明かしのあやめ(桜咲彩花)が手下の真吉(真輝いづみ)と正太(和海しょう)を引き連れて登場し、橋本屋の番頭見習い・三郎太(水美舞斗)は涼やかな美青年ぶり。マイティー(水美)、肩がしっかりしているから、着流しに羽織がよく似合います。

また、この場面では、鼠小僧を運命の相手だと信じるみやと、彼女に猛烈アタックする三助(天真みちる)のやりとりも見逃せません。この2人のやりとりは後々まであって、客席を沸かせていました。

そして待ってましたの次郎吉(北翔)が登場!!実はあやめは次郎吉に思いを寄せていますが、次郎吉は気付いてるんだか気付いていないんだか。

いつもは手下を連れて威勢の良いあやめが、次郎吉の前ではとっても「恋する女の子」になちゃうのが、すご~く可愛かった!次郎吉さんを見る時はニコニコしているし、モヤッとしたことがあるとプゥッとふくれちゃうし。べーちゃん(桜咲)、ラブリーでした☆

そこへ!


粋なテーマソングとともに、ひときわ涼やかな瞳をした、眉目秀麗な浪人風情の長身の超イケメン(←強調)が、「かぐ庵」の暖簾をくぐってきます。


そうです、遠山金四郎こと、瀬戸かずやの登場です!ヾ(*≧∀≦)ノ彡☆バンバン!!

「かぐ庵」に集う女たちのテンションはうなぎ上り。またたくまに金四郎を取り囲みます。その中で、下手端で飲んでいる紗知(紗愛せいら)だけは冷静にその様子を見つめています。

金四郎は、懸賞金欲しさに鼠小僧を追いかけていると女たちに話します。離れたところからその様子をうかがっていた次郎吉は、金四郎を呼び、一緒に飲もうと誘います。次郎吉が自分以外のものに興味を持って行かれたと悟ったあやめは、プンスカ。やけ酒をあおります(笑)。

次郎吉と金四郎は酒を酌み交わしながら意気投合。この時の金四郎の「笑い」が良いんですよ~!ヾ(*≧∀≦)ノ彡☆バンバン!!

次郎吉と話をしている時は男同士だけで見せる気の置けない豪快な笑い、「この店は良いなぁ、酒は美味いし、綺麗な女がたくさんいるし」といぶきに聞こえるように言う時のいたずらっぽい笑いが!

瀬戸くんの「笑い」って、温かくて優しくて、見るだけでこちらも嬉しくなってしまいます。

そこへ突然、店の仲間でもある同心・佐久間(冴月瑠那)が血相を変えて「かぐ庵」に飛び込んできます。続いて、手下たちを引き連れた南町奉行所筆頭与力・石川一馬(鳳真由)が。ただならぬ雰囲気に、静まりかえる店内。

このとき、そっと顔を後ろに背ける瀬戸くんの背中が、大きくて広くて男らしくて素敵です。抱きついて良いですか。(←真剣)

石川は「鼠小僧が人を殺めた」と言い放ち、その殺人の犯人、すなわち「鼠小僧」を三郎太だと決めつけます。人違いであるとの訴えもむなしく、三郎太は連行されてしまいました。

本物の「鼠小僧」である自分の目の前で。何の罪もない友人が、謂われのない罪で裁かれようとしている…次郎吉は金四郎と結託し、真相究明に乗り出します。

ここで、金四郎のソロ。悠々と歌い上げる瀬戸くん、すごーく素敵でした!やっぱり、瀬戸くんの笑顔が大好き!「桜吹雪に踊れ踊れ♪」で右手をひらひらとさせるときの微妙なぎこちなさも大好き!!不器用だけどいつも笑顔な瀬戸くんが大好き!!ヾ(*≧∀≦)ノ彡☆バンバン!!

この場面は、とにかくオペラグラスで瀬戸くんの笑顔を追いかけるの必死で、歌詞をあまり聴いていません(笑)。人間、1つの感覚に集中しすぎると、他の感覚がおろそかになるのですね!(笑)。

瀬戸くんの、じゃない金さんの歌が終わる頃に、すっと静かに控える紗知。なるほど、そう言う事か!紗知は金さんに使える密偵(?)のような役割を果たしていたのですね。ねえねえせいらちゃん、その役目、私が替わるよ?替わるよ!




そして、みんな大好き三味線の稽古場面!(笑)

菊乃師匠のもとで、次郎吉が神田の御馴染の連中が三味線を習っているところに、先日大立ち回りを繰り広げた手妻師の幸(仙名)と再会し…。

この場面は、北翔と天真みちる、鞠花の三味線と、息での掛け合いがもう面白くて面白くて!

鞠花は端唄「梅は咲いたか」を歌うのですが、また素晴らしいのです。本当に、江戸時代にこんなおっしょさん(お師匠さん)、いたんだろうな~と思わせる雰囲気。

菊乃師匠も、色男の次郎吉にぞっこん。この時に北翔が歌う「お師匠さん浮気でしょんがいな」と、続きを歌うのですが、これは元の歌詞が「山吹ャ浮気で しょんがいな」なのですね。そこを敢えて「お師匠さん」と歌わせる演出と、わざと色っぽく歌う北翔の芸達者ぶりに脱帽です。



三味線の楽しい楽しい場面から一転、舞台は暗く緊迫した空気に。

鼠小僧として捕えられた三郎太に対して、石川による激しい尋問が続けられています。その傍らには、廓「憧華楼」の男衆・勇人(柚香光)の姿が。決定的な証拠として、勇人は橋本屋殺害現場に落ちていたという三郎太の手ぬぐいを見せつけます。

この場面は、鳳の凄み、紫峰の陰湿な表情が圧巻。水美と冴月の演技も秀逸でした。

マイティ…痛めつけられている顔が…美しかった…(←不謹慎)。

佐久間演じる冴月も好演。行きつけの店の常連仲間である三郎太をどうにかして救いたいと右往左往しつつ、上司である与力・石川に「まだ、証拠がないではありませんか」と食い下がる時の必死さ、証拠が出てきたと知らされた時の「これは俺も…庇いきれねぇぜ…」と言う声の落とし方…。どうにも悪い方向へ向かっている状況とは言え、無実の罪に落とされた三郎太の傍に、この人がいてくれて良かった、と思わせる存在感でした。



齋藤先生らしく、場面の空気はくるくると変わります。楽しい場面→重い場面と続いて、再び明るい場面。観客も気持ちの切り替えが大変です(笑)。


この場面は、次郎吉をめぐる女2人の攻防→なぜか乱入する堀田のけい様→爽やかに登場する色男・金さん→色男が2人そろったので盛り上がる神田界隈、という構成となっております。


次郎吉に首ったけのあやめと、彼が少しだけ気になる存在になりつつある幸。真ん中に挟まれた次郎吉をもみくちゃにして言い争う場面は、毎回客席が爆笑でした(笑)。

それに対する次郎吉のリアクションも毎回ちょっとずつ違っていて、楽しかった~!ここだけ。なぜかオネエ口調になるんですよね、次郎吉(笑)。

「もうっ!あんた達、女の子なんだからもうちょっと優しくしてっ!」とか、「やめてっ!やめてっ、これ以上やったら乱れちゃうじゃないっっ!」とか(笑)。北翔のアドリブを堪能する場面でもありました♪

そこへ、「三郎太に鼠小僧だという証拠が見つかった」と知らせにくるあやめの手下達。あやめは後ろ髪を引かれつつも、仕事へ戻ります。後に残された次郎吉と幸は、鼠が非道(殺し)をするかしないかで口論に。「鼠は非道をするわ」と頑なに言い張る幸。

はい、そこへご登場ですよ、みんな大好き、堀田のけい様!!口論している次郎吉と幸を見つけたけいは、2人の間に子どもが出来たと盛大に勘違い(笑)。

何だろう、この堀田家のある意味タイミングの悪さと思い込みの激しさ(笑)。ま、けい様はこのタイミングの悪さと思い込みの激しさが功を奏する事になるのですがね♪

堀田家の2人が嵐のように去って行った後、「じーろさんっ♪」とご機嫌良く登場するのが、金さん!!次郎吉から手妻の幸を紹介されて、「今度、あんた達の手妻を見に行くよ」と声をかけるのが、いかにも色男ですよね~☆

でもね、実は金さん、少し前から、すでに舞台上にはいるのですよ~。上手奥にある蕎麦屋さんでお蕎麦を食べているのです!!しかもそのお蕎麦の食べ方も、とってもとってもかっちょいいのです☆

上手袖からぶ~らぶ~らとやって来ると、「お!そこの色男さん、蕎麦はどうですか~」と声をかけられる金さん。かき揚げ蕎麦を注文する金さん(←筆者の妄想)。つるっと粋に蕎麦をすする金さん。そうしている間にも近寄ってくるカワイコちゃん達の相手をしてあげる金さん。時にはかき揚げを「あ~ん」して食べさせてあげちゃったりして!

やだ、瀬戸くん!!


瀬戸くん、私にもオムライスを「あ~ん」してー!!ヾ(*≧∀≦)ノ彡☆バンバン!!(←妄想振り切れた)


※オムライス…瀬戸くんの得意料理。これをネタにスカイステージ内で番組が1本作られた程に、その美味しさはタカラジェンヌをも魅了している。


はっ、閑話休題(←定番)。

とにかく、そうして舞台奥で芝居をしながらも、ニコニコしている瀬戸くん、いや金さんを見ているだけで、幸せでした~☆はう~☆

さて、本編に戻って、奉行所にも人脈のある金さん、与力・石川が「憧華楼」に足しげく通っていることを告げます。ここで次郎吉と金さんは、それぞれの目的を果たすべく結託することを誓い、酒を酌み交わすのでした。



次の場面は、鼠小僧にまつわる暗い記憶を背負った幸のソロ。

ここは仙名の独壇場。立ち三味線で弾き語りながら、情感を込めて歌いきるとはお見事!!桜一花、華耀きらりの後、「花組娘役」の看板を背負う事ができるのは、仙名と桜咲が筆頭だと思います。



三郎太を救うことを決意した次郎吉と、病を抱えている親代わりの甚八。早く裏稼業から足を洗ってまっとうな生き方をして欲しいと思う甚八と、今を駆け抜けることしか頭にない次郎吉。お互いを思う心は一緒なのに、それを上手く相手に伝えることが出来ない…。切ない場面です。



一方、金さんは、石川に接近。Pちゃん(鳳)、ふてぶてしくて好きだわ~!「さっすが石川様!」と持ち上げる時にぴょんぴょんしちゃう瀬戸くんも好きだわ~!

石川が去った後、あやめ達と行き合う金さん。「おう、かぐ庵の色男」と呼びかけられて、「これは、べっぴんの目明しさん☆」と返すところが、いかにもいかにも色男!!ヾ(*≧∀≦)ノ彡☆バンバン!!

こうして、今回の脚本は、金四郎のちょっとした科白がいちいちモテ男っぽく書かれていて、それも女心をくすぐられて、嬉しかったです(笑)。



場面は甘くふくよかな空気に包まれた遊郭「憧華楼」。

遊女・花咲(花野じゅりあ)が三郎太を思って歌います。


じゅりあ様…可憐過ぎる…!!(震撼)


この時の出演者では最上級生の娘役であるはずなのに、何だこの可憐さ…!!

身のこなしもしなやかで美しいし、儚げで優しくて…女子力も高くて…!!

そんな花咲の身の周りを守る男衆として勤めていたのが、勇人だったのですね~。なるほどなるほど。

そりゃ、この世界でも清らかさを失っていない花咲に、「いつも花咲を守ってくれんした」と肩に寄り掛かられたら、「いつまでも、これからも守ってやる!」ってなっちゃいますよね、勇人の気持ちがよく分かるわ。

花咲は、橋本屋の番頭見習い・三郎太と相思相愛の仲でした。

そう、もう種を明かしますが、この事件は花咲を手に入れるため、そして橋本屋を潰すために、石川と小松屋が結託して仕組んだ事だったのです。勇人もまた花咲に思いを寄せていて、石川と小松屋は彼の恋心を利用したのですね。

憧華楼に忍び込んた本物の鼠小僧・次郎吉は、そこで花咲とばっちり顔を見合わせ、吃驚仰天。なんと花咲は、次郎吉が幼い頃に心を通わせた初恋の相手・かよだったのです!でも、(頭巾をすっぽり被っているとは言え)、かよは次郎吉のことを全く思い出さないのでした…(汗)。

この時に頭を抱えて狼狽する次郎吉が、超~かわいかった!初恋の相手に惚れた男を助けてくれと泣き疲れてオロオロするところも、北翔らしくテンポがちゃんとあって、流石でした。

しかし、その場を勇人に見つけられ、鼠小僧は夜の江戸へと駆け出します…。



目明しのあやめ達、勇人、佐久間の旦那、石川、かぐ庵の面々、堀田家…江戸の人々を巻き込んでの大乱闘へ!

ちゃんと、キャストがちゃんと少しずつ登場して、逃亡劇と立ち回りが繰り広げられるのが、齋藤先生の愛を感じます。湯屋好きのきわちゃん(朝月希和)とか、菊乃師匠とか。キチマサ先生、ありがとー!

その大混乱の中、突如として次郎吉の目の前に立ちふさがる女鼠、幸。そして遠山金四郎。

激しい立ち回りの中、金四郎と幸はついに、鼠小僧の正体を知るのです…。

鼠小僧は客席から逃げ去り、幸も鼠の後を追って客席を走って去っていきます。その後を本舞台から見送る金四郎。

キリッとポーズを決めて、次郎吉と幸を鋭い眼差しで見送る金さん…いや、瀬戸くん。


瀬戸くん…眩しかった…!!ヾ(*≧∀≦)ノ彡☆バンバン!!(←それしかないのか)(←それしかない)


ここで、第1幕は終了~!

瀬戸くんの眩しさと麗しさに呼吸困難になりかけた心身の調子を整えて、第2幕に備えましょう(笑)。


Oh Edo.jpg


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ラブ

宝塚、時代劇も結構あるんですね。

by ラブ (2015-07-29 14:04) 

★とろりん★

ラブさま

nice!とコメント、ありがとうございます。

宝塚の日本物、美しくて良いですよ~。ま、この作品は「ラスベガスで時代劇をやったら」という演出家の野望(笑)をもとに作られたので、ちゃんとした(?)時代劇ではありませんが…(^_^;)。

現在、宝塚大劇場で上演中の雪組公演『星逢一夜(ほしあいひとよ)』も日本物で、大変良い評判です。ぜひ当日券でご覧になってみてください!(←宣伝w)
by ★とろりん★ (2015-07-30 08:12) 

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