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宝塚歌劇花組東京特別公演 『風の次郎吉―大江戸夜飛翔―』 感想(1) [宝塚歌劇]

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2015年1月22日(木) 日本青年館 18:30開演

作・演出/齋藤吉正
作曲・編曲/青木朝子
振付/花柳寿楽、AYAKO
殺陣/清家三彦
装置/國包洋子
衣装/加藤真美
照明/佐渡孝治
音響/大坪正仁
小道具/三好佑磨
三味線指導/今藤和歌由
手妻指導/キタノ大地
映像コーディネート/日本パルス
映像デザイン/佐川明日香
演出助手/指田珠子
舞台進行/押川麻衣

「OH! Edo Night Show」というサブタイトルの通り、まさに大江戸八百八町を縦横無尽に駆け抜けるミュージカルショー!

どの生徒もしっかりと見せ場をもらっていて、どの役もしっかりと愛情をもって書き込まれていて、そのことが本当に嬉しかったです。まるでジェットコースターに乗っているかのように爽快感とワクワク感満載のステージでした。


【あらすじ】

時は江戸時代後半、江戸の町は「鼠小僧」の話題で持ち切り。鼠小僧とは、私腹を肥やす武家屋敷や商家だけを狙って金を盗み、その金を江戸の庶民に分け与えるという義賊。与力の石川(鳳真由)や同心の佐久間(冴月瑠那)、女目明しのあやめ(桜咲彩花)や岡っ引きの真吉(真輝いづみ)と正太(和海しょう)たちは、夜な夜な鼠小僧を追いかけてはあともう一歩のところで逃してしまいます。

鼠小僧の正体は、鳶の次郎吉(北翔海莉)。幼い頃に強欲商人と悪徳旗本の陰謀で両親を亡くし、大工の甚八(夏美よう)に育てられた次郎吉は、両親や初恋の人を奪った悪徳商人や悪徳武家への復讐のため、鼠小僧として裏稼業を行っているのでした。

ある日、次郎吉は神田明神前で手妻芸を見せる芸人一座と出会います。中心となって鮮やかな手妻を見せるのは、幸(ゆき:仙名彩世)。ところが幸たちは、手妻とともにインチキな「ガマの油」を庶民に売りつけていたことから次郎吉と口論となります。旗本の息女ながら男まさりの堀田けい(華耀きらり)も乱入し、神田は上を下への大騒ぎに。

次郎吉やあやめ、次郎吉の相方・三助(天真みちる)など仲間たちが集う蕎麦屋「かぐ庵」。あやめは次郎吉に思いを寄せているのですが、次郎吉はとんと気づきません。そんなかぐ庵に、1人の見目麗しい浪人風情の男がやってきます。遠山金四郎(瀬戸かずや)と名乗ったその男は、懸賞金欲しさに鼠小僧を追いかけていると話します。

意気投合した次郎吉と金四郎が酒を酌み交わしているところへ、突然、与力の石川が「かぐ庵」に突入してきます。「鼠小僧が人を殺めた」というのです。殺されたのは、江戸では新参の呉服屋・橋本屋の主人。そして、その犯人、すなわち鼠小僧だと決めつけられて縄を受けたのは…「バカがつくほど生真面目」と「かぐ庵」の女将・いぶき(梅咲衣舞)や娘たちからも評判の高い、橋本屋の番頭見習い・三郎太(水美舞斗)でした。

目の前で、明らかに「鼠小僧」ではない友人が縄をかけられて連行されていく、そして自分-「鼠」は人を殺めたことは一度もない…次郎吉は、金四郎とともに事件の究明と三郎太の救出に乗りだします。

ひょんなことで幸と再会した次郎吉。話をしているうちに話題は「鼠」のことに。なぜか幸は、「鼠は非道をする」と頑なに言い張ります。

調査を進めるうちに、次郎吉と金四郎は、与力の石川が吉原の「憧華楼」の花魁・花咲(花野じゅりあ)のもとに足しげく通っていること、また憧華楼の男衆・勇人(はやと・柚香光)と頻繁に密会していることを知ります。その花咲は、三郎太と将来を誓い合った仲であり…次郎吉が初めて恋心を抱いた、幼馴染でもありました。

誰が橋本屋を、何のために殺めたのか?

友を救い出し、かつて惚れた相手の恋を成就させるため、そして己の名誉挽回のため、次郎吉は「鼠小僧」となって、江戸の夜に現れます。そこへ「女鼠」も登場し、さらに事態は多くの人を巻き込んでいきます…。


【カンゲキレポ】


楽しかった―!!ヾ(≧∇≦*)〃キャホーイ!


…の一言に尽きます!ディズニーランドのショーアトラクションを見ているようなワクワク感、といったら伝わるでしょうか?観劇前、休憩中、終演後も趣向を凝らした演出がされていて、初見終了後、思わず座席で万歳三唱したくなったほどです(しなかったけど)。

いやもう、ポスターからして楽しそうじゃありませんか!イケメンに美女がそろい踏みしていて、期待しか抱かせないデザイン。瀬戸くんが超カッコイイし!(←結局そこ)(←いやいや最重要)



幕が上がると、活動弁士(紫峰七海)が「鼠小僧次郎吉」の活躍をテンポ良く語り始めます。紫峰は、本編では小松屋太兵衛を演じていますが、これもまた怪演でしたよ~!

紫峰が活動弁士として語っている間、舞台にはスクリーンがかかり、そこに映像が大写しになります。鼠小僧(北翔)をあやめ(桜咲)や石川(鳳)らが追いかけている、その鼠にいぶき(梅咲)はかぐ庵で働く娘・みや(華雅りりか)ときわ(朝月希和)が黄色い声援を送っている様子などが映ります。

与力や目明したちが鼠小僧を追いかけていくところで映像が終わり、スクリーンが払われると、江戸の町と、あやめたち目明しや同心たちが登場し、下手舞台奥の階段セットに、黒い人影-鼠小僧次郎吉が板付いています。舞台天井から下手にかけて、網のような幕が垂れ下がっていて、あともう一息で鼠が縄にかかる…という瞬間を演出。

ここであやめと鼠の科白の応酬があるのですが、歌舞伎調で面白いです!べーちゃん(桜咲)の「今日こそお縄にィ、ア、つきやがれェ」という科白回しが、とっても良かった!

ここで鼠がバンッと決め台詞を放ったところで網が落ち(突破されたということですね)、スポットが当って、鼠小僧次郎吉、見参!ここから一気に、キャスト総出演のプロローグになだれこんでいきます!

ここでも映像が使用されます。今度はプロのデザイナーによる鼠小僧次郎吉・遠山金四郎・手妻の幸・目明しのあやめのイラストと、役を演じる生徒の名前がどーんと出ます。いわば、ドラマやアニメのオープニングクレジット。またこのイラストがアメコミ風味で、良い味出しているんですよ~。

プロローグがね~、また本当にカッコ良かったのよ、奥さん!(←誰)

みんなちゃんと役になりきって踊っていて、それでいて、センターに立つ北翔を全力で盛り上げて。その中で踊る北翔は、押し出しも強くて、圧倒的なオーラで劇場全体を自分のものにしてしまいました。

そして、登場!!瀬戸くん!瀬戸くーん!!ヾ(≧∇≦*)〃

あ、違うや、金さーん!!(←手遅れ)

瀬戸くんも、下手舞台奥に組まれた階段セットから登場します。笑顔が眩しい!!

でもね、この時はちょっと、北翔よりは押し出しが弱いな~と思ったのも事実です。もっとこう、舞台の奥から登場した時でも、瞬間的にスポットの光すら跳ね返すようなパワーを感じたかったなぁ。そのテクニックを習得した時、瀬戸かずやは押しも押されぬスターになると思います。

舞台前方に出てきてセンターで踊る姿は、とてもカッコ良くて素敵!!何がどうカッコイイのか分かりません。とにかくカッコイイ!!それだけです!!あの金四郎、フィギュアにしてお家に持って帰っても良いですかっっ!!(←超真剣)

そして再び北翔が登場して、総踊りへ。センターでカッコ良くキメキメで踊る瀬戸くんが大好きですけれども、センターのトップさんに向ける瀬戸くんの笑顔も本当に素敵です。なんというか、瀬戸くんの笑顔は、彼が持っている本来の人柄の良さがにじみ出ているんですよね。「ほんまにええ人なんやろうな~」って思いますもの(笑)。

主題歌も、疾走感があってドラマチック。コーラスでずっと「OH! Edo Night Show~♪」と歌っているので、そのメロディーがすっかり耳に残って、ついつい口ずさんでいる今日この頃です(笑)。

齋藤先生は、ショーでも芝居でも、プロローグの演出が本当に秀逸だと思います。ちゃんとメインが順当に登場しつつ、どの役(キャスト)も決して埋もれず、そしてこれから始まる物語への期待感が最大限に膨らむような演出。『TAKARAZUKA∞夢眩』のプロローグも、本当に素敵だったもんなぁ…(←胸に広がる甘酸っぱい想ひ出)。



さて、本編は、まずいきなり過去の記憶から始まります。手妻の幸と次郎吉を結びつける、苦しい過去。

そこから再び舞台は一気に明るくなり、場所は神田。手妻の幸(仙名)率いる「幸福一座」の手妻芸が開催されています。周囲には、後に観客にとっては愛おしくてたまらない存在となる(笑)、「かぐ庵」に集う人たちがうろうろ。柚香光くんも、別役でこっそり出ていたりします。

手妻というのは、日本に古来より伝わる手品のこと。仙名は毎回、手妻を本気で見せていました。何の仕掛けもない箱から、色とりどりの布が出て来たり、さらに布の中から傘が何本も出て来たり!すごい!!

私が観劇した回では失敗もなく、スムーズにこなしていましたよ。歌もダンスもお芝居も言う事なしで、芸達者!良い娘役さんに成長したなぁ~…。

幸のアシスタント的存在である、一座の奈津(更紗那知)と波留(春妃うらら)も、めっちゃ可愛かったです☆明るい色の脚絆がまたキュート!動きが小動物のようで、ぴょこぴょこ動いたり跳ねたりする様子が可愛くてたまりません!金四郎フィギュアとともに、マスコットにしてお家に飾っておきたいくらいでした(←ちょっと真剣)。

手妻で江戸の庶民たちの心をがっつり捉えてから、どんな傷でもたちまち回復するという万能塗り薬「ガマの油」を売りつける幸たち。そこでイカサマを見抜いていた次郎吉が登場して、ひと悶着起こります。

次郎吉と幸が口論を繰り広げている間に、後方の階段セット(この場面では橋の役割を果たしています)から、じいやの本田吾助(神房佳希)をお供に、堀田家の姫君・けい(華耀)がやってきます。剣術の道場に通う男勝りのけいは、髷を結わず下げ髪にして、装いも袴姿。これが、「あるお方」との出会いで劇的に変わるのですが…。

華耀きらり、一癖も二癖もある男勝りのお姫様を、突き抜けた演技で見せてくれました!芝居が進むうちに、けいが出てくるだけで、客席には何かを期待してしまう空気が(笑)。そしてその空気を絶対に裏切らない芝居!また間の取り具合も本当に上手い!それでいて、「宝塚の娘役」としての品は絶対に失くさない。そのバランスが本当に素晴らしくて、観ていて気持ちが良かったです!!『ラスト・タイクーン』でも見せた「宝塚のコメディエンヌ」としての本領を、思う存分発揮していました。

次郎吉と幸の口論を、なぜか恋人の痴話喧嘩と勘違いしてしまったけい。真剣を取りだした幸と、逃げ回る次郎吉との間に、腰にさげていた木刀を持って果敢に割り込みますが、混乱の中で間違えて次郎吉に一撃お見舞いしてしまうのでした…。



次郎吉の育ての親で大工の甚八(夏美)の長屋へ、けいに介抱されながら次郎吉が帰って来ます。あ、一緒に殴られてしまった三助も、吾助に背負われてやってきます(笑)。ここの2人のおかしさは、私のつたない文章では表現できません。DVDをお買い求めください(笑)。

夜の稼業である鼠小僧を止めてほしい甚八と、口答えして家を飛び出していく次郎吉。自分の業をそのまま次郎吉につがせてしまったと、甚八は悔やみます。そう、実は甚八こそが最初の「鼠」だったのです。



かつて甚八は大工稼業の裏で、旗本屋敷の密偵として働いていました。江戸の市民でありながら市民を裏切るような行為をしていた甚八は、せめてもの償いと、密偵に入った武家屋敷や商家で銭を盗んでは、貧しい人々に密かに分け与えていたのです。

その事を知っていたのが、甚八と同じ長屋に住んでいた次郎吉の両親、吉次(亜蓮冬馬)とよしの(美花梨乃)でした。2人に諭され、甚八は裏稼業から足を洗うことを決意したのです。しかし、密偵仲間であった助佐は元の世界に戻ろうとする甚八を咎めます。助佐ともみ合いになり、誤って刺してしまったことだけが、甚八の悔いとなって残っていました。

そして、次郎吉の両親も思わぬ陰謀に巻き込まれます。腕の良い豆腐屋であった吉次は、その評判が武家にまで届き、さる旗本の会合の席に豆腐を供することになります。ところが、吉次の評判と人気に嫉妬した別の店の陰謀で、吉次は豆腐に毒を盛ったという罪をなすりつけられてしまいます。吉次は申し訳もできないまま即刻とらえられ、処刑されてしまいました。

吉次の店は取り潰しとなり、絶望したよしのは、「次郎吉を頼む」という書き置きを残して、川へ身を投げてしまうのでした。こうして天涯孤独となった次郎吉を甚八は引き取りますが、次郎吉は反発してばかりで、まったく懐こうとしませんでした。

物語の中で、唯一納得がいかなったのが、このエピソードかな…。甚八が男手ひとつで次郎吉を育てることになる、というきっかけが必要だったのだと思いますし、大黒柱を理不尽な方法で喪ってしまったショックが大きかったのでしょうが、自分の子どもを、ただ一言「この子をよろしく」と書いた手紙だけ置いて他人に任せ、ひとりで死んでしまうのは、ちょっと勝手かな、と…。

もし私だったら、次郎吉ともども川に飛び込もうとするよしのを、必死に甚八が止める。けれどもそれを振り切って、よしのは次郎吉と一緒に川に飛び込んでしまう。親子を助けるべく、甚八も川に飛び込んだけれども、助けることができたのは次郎吉だけだった…という流れにします。そうすると、次郎吉には「何で自分だけ助けたのか、何でおっかさんを助けてくれなかったのか」という気持ちが残り、甚八にたてつくのも納得できるような展開になったと思うのですが、如何でしょう?

甚八には反発してばっかりだったけれども、隣長屋のかよ(花野)とお互いに恋心を抱くようになった次郎吉は束の間の幸せを感じます。しかし、かよは借金のかたに吉原へ売られていったのでした…。

全ては金の為、欲の為に、罪もない人々が理不尽で苦しい目に会うのだと憤った次郎吉は、自分や両親、かよを追い詰めた悪徳武家や強欲商人に復讐するべく、「鼠小僧」として夜の稼業に足を踏み出すことを決意したのでした…。



さて、甚八と言い争いしてむしゃくしゃした気分になった次郎吉がなじみの蕎麦屋「かぐ庵」で一杯飲みなおそうと家を出た頃、江戸の闇夜では、ある殺人が行われたのでした…。

今回は、これにてごめん候!(By石川)

ちょ、瀬戸くん全然出てきてへんやん!!Σ(゚д゚)


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