愛と義のまち ~山形県米沢市~ [旅]
山形県米沢市を訪れました。
これまでの旅人生は主に九州を巡ることが多かったので、山形は初潜入。レトロな建築デザインの米沢駅舎を見るだけで、旅情を感じます。
翌朝、早起きをして、上杉神社を訪れました。
米沢駅から自転車で約15分。
米沢では、駅舎や一部のホテルでレンタルサイクルが定着しています。駅から中心部、観光名所が結構散らばっているので、観光するならレンタカーかレンタルサイクルを利用するのがオススメです。
上杉神社は、この地にゆかりの深い上杉家の名将、上杉謙信と鷹山を祭神として、1876(明治9)年に米沢城址内に建立されました。1902(明治35)年に祭神は上杉謙信のみとなり、鷹山は松岬(まつがさき)神社に分祀されて現在に至っています。
城址というだけあって、敷地内は広々。石垣やお濠も堅固な存在感を残しています。
社殿。
社殿の設計は、米沢出身の伊東忠太博士(1867-1954)。平安神宮や橿原神宮、湯島聖堂、宮崎神宮など、多くの神社建築物の設計に携わってきた方です。
おお!宮崎神宮…!昨年まで、毎年のように旅の合間に時間を見つけてはお参りしておりました。(最新の記事は→コチラ)
懐かしいなぁ~。こうして記憶の糸が繋がっていくのは、嬉しいことですね。
上杉謙信公の像。
謙信公は十六条からなる家訓を制定し、それは「宝在心(ほうざいしん)」として今日まで伝えられています。
一、心に物なき時は心広く体泰(やすらか)なり。
一、心に我儘なき時は愛敬失わず。
一、心に欲なき時は義理を行う。
一、心に私なき時は疑うことなし。
一、心に驕(おごり)なき時は人を教(おし)う。
一、心に誤(あやまり)なき時は人を畏れず。
一、心に邪見なき時は人を育つる。
一、心に貪りなき時は人に諂うことなし。
一、心に怒りなき時は言葉和らかなり。
一、心に堪忍ある時は事を調う。
一、心に曇りなき時は心静かなり。
一、心に勇ある時は悔むことなし。
一、心賎しからざる時は願好まず。
一、心に孝行ある時は忠節厚し。
一、心に自慢なき時は人の善を知り。
一、心に迷いなき時は人を咎めず。
何とストイックな…。謙信公が「聖将」と呼ばれる理由がよくわかります。
上杉神社のお濠のふもとに、松岬(まつがさき)神社があります。
もともと直江兼続の屋敷があったところで、のちに景勝も住まいとしていたことから、現在は鷹山のほかに景勝、兼続など6柱の祭神が祀られています。
米沢藩の財政改革に取り組んだ、第9代藩主・上杉鷹山公の像。
実は、鷹山公は現在の日向国高鍋藩(現在の宮崎県高鍋町)の出身。母方の祖母が米沢藩主の妹であったという縁から、上杉家に養子として迎えられました。
高鍋町も、かつてよく旅をした土地。鷹山公が幼い日を過ごした高鍋城を散策したことが思い出されます。こうして、思い出が今につながっていくのは、何とも嬉しいことですね。
ちなみに、高鍋町では「馬渡(まわたり)」という餃子屋さんがオススメです☆(→詳しくはコチラ)
社殿。奥ゆかしさと堅実な落ち着きを感じます。
紅葉が鮮やかに色づいていて、とても綺麗でした。紅葉の写真も撮ってきましたので、別記事でご紹介しますね。
本当は上杉神社だけでも…と思っていたのですが、もう少しだけ時間がありそうだったので、自転車を猛ダッシュさせて、上杉家廟所へ足を伸ばしました。
その名の通り、上杉家代々の藩主が眠っている墓所です。
上杉家の家風を思わせる、真っ直ぐで清冽な空気を漂わせる杉木立。樹齢400年以上のものだそうです。
その森の奥に、歴代藩主の廟が並びます。
廟所のいちばん真ん中、そしていちばん奥にあるのが、謙信公の廟。
2代藩主、景勝の廟。
9代藩主、治憲(鷹山)の廟。
ずらりと並ぶ廟は、厳粛で凛とした空気に包まれています。
御廟所の配列は、中央正面に謙信があり、そこから向かって左に2代景勝、4代綱勝、6代吉憲、8代宗房、10代治憲、12代斉定の祠堂が並び、中央より向かって右に、3代定勝、5代綱憲、7代宗憲、9代重定、11代治広の祠堂があります。
廟の形も時代によって建築技法が少しずつ異なっているそうで、その移り変わりを見るのも興味深く感じました。
今でも上杉家は、米沢の人々にとって心のよりどころになっているのですね。
帰り道にちょっとだけ立ち寄ったのは、「武者道」。
街の中にある、なんてことはない小路ですが…武士の皆さんが活用した道だそうです。
江戸時代、武士はちょっとした用事で外出する際も、帯刀して出かけなくてはいけませんでした。この武者道は、下級武士が帯刀せずに商家へ忍んで買い物へ行くときに使用した道なのだそうです。
最上川のほとり。
並木道の樹木は真っ赤に色づいて、河川敷にはコスモスが揺れていて、流れる川の水が青く澄み切っていて…。
米沢の街が、大好きになりました。
(おまけ)
上杉神社を訪れている時、なんとインタビューを受けてしまいました!
インタビュアーは、米沢の小学生。「米沢の観光活性化のために、何が必要か?」をテーマに、上杉神社を訪れていた人々を対象にインタビューを行っていたようです。
小学生(以下、小) 「米沢へは、観光でお越しですかっ?(`・∀・´)キリッ」
とろりん(以下、と) 「いいえ、違います( ̄▽ ̄)キッパリ」←正直すぎる性分
小 「………。(´・ω・`)ショボーン」
と 「………。( ̄▽ ̄;)シ、シマッタ…」
小 「よ、米沢の魅力は何ですかっ!(`・ω・´)」←諦めない
と 「えーと、お水も食べ物も美味しいところです。昨夜の夕ご飯で、”牛肉どまんなか弁当”というのをいただきましたけれど、すごく美味しかったです。」
小 「米沢観光の良いところは何ですかっ?(`・ω・´)」
と 「(さ、さっきの質問と重複してるんじゃ…)ええと、駅やホテルにレンタルサイクルの制度が確立しているのは良いと思います。米沢は名所が市内の色々な地域に散らばっているから、これは良いシステムだと思います。」
小 「米沢の観光をこれから活性化させるには、何をしたら良いと思いますかっ?(`・ω・´)」
と 「え…えと…(;'∀')(←小学生の勢いに気圧されている)。情報はインターネットを通じて発信すれば良いと思いますよ。ただ、奇天烈なキャラクターを作ったり奇抜なイベントとかしないで、ホテルの整備とか、"観光客を受け入れる"体制作りに専念すれば良いと思います。今ある名所史跡だけで十分魅力のあるまちなんだから」。
小 「ありがとうございましたっ!」
勢いいよく頭を下げると、キャッキャッとにぎやかに駆けていった子どもたち。離れていきながら、「米沢って、水が美味しいのか~?」って友達同士でしゃべっていました。それは、彼らが大人になって、このまちを離れた時に気づくのかもしれませんね。
きっと、彼らが米沢で過ごした時間は、人生の宝物になることでしょう。
(おまけのおまけ)
話題の「牛肉どまんなか弁当」。
レギュラー、しお、みそ、カレー味とあります。私はレギュラー味がお気に入り♪
貸切風呂は、ポイント高し!ゆっくりと足を伸ばしてお湯に浸かれます。レンタルサイクルもありますよ。
永遠のメロディー ~福島にて~ [旅]
久しぶりに、旅に出ております。
昭和を代表する作曲家、古関裕而さんは、福島市の出身なのですね。福島駅前には古関さんのモニュメントがあります。
愛用のハモンドオルガンとともに、柔らかな笑顔を浮かべた古関さん。あたたかなお人柄が伝わってくるようです。
毎日8時から20時まで、定時に古関さんの作曲された曲のメロディーが流れるそうです。
【時を知らせる古関メロディー】
8時00分 さくらんぼ大将
9時00分 高原列車は行く
10時00分 とんがり帽子
11時00分 「ひるのいこい」テーマ音楽
12時00分 栄冠は君に輝く
13時00分 あこがれの郵便馬車
14時00分 愛国の花
15時00分 スポーツ・ショー行進曲
16時00分 白鳥の歌
17時00分 福島夜曲
18時00分 長崎の鐘
19時00分 船頭可愛や
20時00分 君の名は
※オリンピック・イヤーは15時00分の「スポーツ・ショー行進曲」に替えて「オリンピック・マーチ」
一度は聞いたことのある旋律ばかり。すごいですね~!
名曲とともに時の刻みを知る…素敵な街です。
福島駅東口に隣接。
夢のまた夢 ~大阪城~ [旅]
「大阪城」と言うと、JR大阪環状線「大阪城公園」駅から行くものだとばかり思い込んでいたのですが、なんと、地下鉄谷町線「天満橋」駅からも近いのですね!(というか、むしろこちらから行く方が近いんじゃなかったのか…orz)
そりゃ、あれだけ広大な敷地を持つ城跡だもの、最寄り駅がいくつかあっても不思議ではないですよね…。
ということで、頑張って早起きして、大阪城天守閣を見に行ってまいりました。
谷町線「天満橋」駅3番出口から徒歩3分ほどで、お堀端に出ます。
京橋口から入ります。久しぶりに雨が上がり、晴れ上がった空に、緑もイキイキと輝いています。
奥に見える巨大な切石は、場内では7番目に大きいのだとか。これでも十分な大きななのに、まだ大きい切石が存在するのですね。石ひとつ取っても、当時の豊臣家の絶大な権力を感じさせます。
綺麗に整備された道を歩いていくと…
太陽の光に照らされて浮かび上がる、威風堂々とした城郭のシルエット。
遠くからでも威容を誇るその堂々とした姿に、思わず圧倒されて立ち止まりました。
幾重にも築かれている堅固な石垣。
いたるところに草木が生えていて、その歴史を感じます。
残念ながら、ここでタイムアップ。
こんなにじっくりと大阪城天守閣を見たのは何年ぶりか思い出せないほどですが、「平成の大改修」以来では初めてではないかな?鯱はもちろん、最上層の伏虎の修飾も鮮やかに見えました。
昔も今も、大阪の変わらぬシンボル、大阪城。いつか時間ができたら登閣してみたいですね。
今日も誰かがめぐり会う 遥か遥か西の街 [旅]
光目指し 夜空飛び立つ [旅]
台風の進路地域にお住まいの皆様、大丈夫でしょうか。どうか、影響が最小限でありますように…。
久々に、空を飛ぶ事になったのですが…。
「嵐を呼ぶ女」は、もう卒業したはずだったのですが…(汗)。
まさにこのタイミングで、再び空を飛ぶことになろうとは(汗)。
約半年ぶりの空の旅は、緊張半分、ワクワク半分。チェックインまでバタバタで、ようやく、いつも訪れていたカフェで気持ちを落ち着けました。
かつてのお気に入りメニューで、ブログにもよく載せていた「サーモンとアボカドのクリームチーズオープンサンド」がなくなっていたり、新しいメニューが増えていたり。
半年で、こんなに変わるのかぁ…と思うこともありつつ、カフェラッテは相変わらずの優しい風味と穏やかな味わいです。
心を鎮めて、新たな旅にむかいます。
contrail [旅]
「飛行機雲」という意味を持つ英単語「contrail」。
この写真は海上にできた「光の道」なので、ちぐはぐなのですが、何となく気に入って使わせてもらいました。
今まで歩いてきた道も、こんな風に、輝くような出会い、大切な思い出がたくさんできました。
新しい道も、こんな風にキラキラ輝く出会いや思い出が増えていくと良いなぁ…。
いやいや、増やせるかどうか、素晴らしい「contorail」を描けるかどうかは、自分次第ですよね。
そのようなことで、春から新しい道を歩むことになりました。
こちらの記事は予約投稿です。ネット環境が整うまでは、再び更新が途切れそうな予感です(汗)。携帯からアップできるかなぁ…。
新しい時間がスタートする春。どうか皆様にとって、素敵な春になりますように。
なごり雪 [旅]
頬を吹き抜ける風にまだまだ風の冷たさが残った3月初旬、再び旅に出ました。
着いた先は、何度も訪れたことのある大分県日田市。
市内の観光名所、豆田では「天領ひた おひなまつり」が開催中でした。
昔ながらの商家や家屋が、一軒ごとに秘蔵のお内裏様を飾るのです。
「クンチョウ酒造」の酒蔵も開放されていました。
酒蔵としてはもちろん、ギャラリーやカフェ、ショップなども併設されていて、楽しい時間を過ごすことが出来ます。
職人さんの厳しくも温かな緊張感に包まれたような、しん、とした酒蔵の空気が、とても好きです。でもお酒は弱いです(笑)。
この日はとてもよく晴れて、絶好のお散歩日和だったのですが…
翌日は、かなり本降りの雨に。それでも夕方には晴れ間も見えてきて、明日は大丈夫かな~と思っていたら・・・。
翌日にはなんと、雪が降りました(笑)。
写真ではわかりにくいかも知れませんが、かなりの吹雪っぷりです(笑)。
朝、目覚めて、眠気まなこで窓を開けた瞬間に真っ白な世界が目に入ってきて、「えーと、ちょっと落ち着こう…」と思って顔を洗い、コンタクトレンズを入れて再び見直してみたら、やっぱり吹雪いていました。
日田・玖珠地方では、3月中旬に雪がちらつくことはあるそうですが、ここまでしっかり積雪することは珍しいようです。福岡県、佐賀県では、3月に雪が観測されたのは4年ぶりだったそう。
お昼前にはなんとか雪も止んだので、ホッとしましたが、それでも貴重な体験をさせてもらいました。
角牟礼(つのむれ)城 三の丸から、伐株山(きりかぶさん)を望んで。
手前に見える木々。朝のうちに枝に積もった雪が溶けて水滴となり、なんとも幻想的な光景を作り出していました。
玖珠町在住のイラストレーター、satokoさんから、「あなたのイメージだから…」と、胸がキュンとなるような愛らしいイラストを頂戴しました。ありがとうございます!
satokoさんのイラストは、コチラへ☆→satoko gallery
今回の旅では、お会いしたかった人にたくさんお会いできて、嬉しく幸せな旅でした。