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『ifi』 Bバージョンの結末 [蘭寿とむ]

『ifi』青山劇場公演千秋楽、おめでとうございます。

公演期間の前半と後半で、Aバージョン・Bバージョンと2つの結末が用意されていたこの舞台。Bバージョンの結末について思ったことを少し。

大阪公演をご観劇なさる方は、今はお読みならないで下さいね。





「THIS or THAT」と、常に2つの中から1つの選択を迫られる、「ifi」の世界。

Bバージョンで、ユーリ(蘭寿とむ)に突きつけられるのは、究極の「THIS or THAT」であり、究極の「ifi」でした。

あくまでも個人的な感想ですが、私はこの選択を取り入れた構成演出を、受け入れることは出来ませんでした。

劇中のエピソードで一度取り上げられている二択が再度取り上げられる事も疑問でしたし、その前に展開される3つのメインエピソードは、基本的にAもBも結末は一緒なのに、ユーリの場合に限ってそこまで追い落とすような結末を持ってきたのか。

その結末が明らかになった瞬間、その瞬間まで良い感じで熱気を帯びていた客席の空気が、一気に冷えました。少なくとも、私にはそう感じられました。蘭寿をはじめとする出演者の熱演で、客席の舞台へ向ける意識は何とかラストまで引っ張られましたが、一度冷めたテンションと熱が、元に戻ることはありませんでした。

カーテンコールは、そういうのを一切忘れて楽しみましたが、そうでもしないと割り切れないというか、ここではじけることによって消化不良を解消させたかった、という感じ。

蘭寿とむのファンとして、その結末を用意するべきではなかった、用意して欲しくなかった、と思います。宝塚退団後、初めての主演であるこの舞台が、未来へ繋がるきっかけとなる蘭寿に対しても、大きな期待を持って観劇に来る蘭寿のファンに対しても、もう少し配慮を持って欲しかったな、と。

贔屓目を差し引いても、Bバージョンの結末は発想が安直過ぎるし、その結末に合わせて台詞や演出を変更した方が良い場面は変更されていないし(逆に、変更しなくても良かったのに、という場面が大幅に変更されていたり)、制作陣は構成と演出を見直したり、練りあげる時間と余裕がなかったのかな?

熱が冷めても、観客の気持ちが舞台から完全に離れずに済んだのは、蘭寿をはじめとするプロフェッショナル達が、真心のこもったパフォーマンスを見せ続け、最後まで引っ張ってくれたからだと思います。

蘭寿とむ…なんて人なんだろう、と改めて思います。彼女の舞台は、場所が変わっても、表現技法が変わっても、どこまでも誠実で、どこまでも真摯です。

以上はあくまでも個人の感想です。深読みしすぎかも知れません。私と同様の感想を持つ友人もいれば、「Bバージョンの蘭寿さんの方が素敵に感じた」と言う友人もいましたし。勿論、蘭寿はどちらのバージョンでも心のこもった熱い舞台を見せてくれましたが、それとこれとは別。やはりBバージョンの結末は、私は受け止めらないな、と感じています。


「チームifi」の皆さん、青山劇場公演、お疲れ様でした。残る大阪公演も、どうか無事に終えることができますように。


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コメント 4

goochan

とろりんさま、はじめまして。

私の回りでもBパターンは好きじゃないという人多いです
理由はとろりん様と同じです。やはり受け入れがたいのでしょうか
私はBをみてやっと完結した思いでした
Aをみた時に何故あの場面でユーリが無事でいられるのか。
そればかりが気になってしまっていたので・・・

「劇中のエピソードで一度取り上げられている二択が再度取り上げられる事」
これはAでも同じですよね。私も疑問なところです
そして他の3エピソード。ユーリははじめの選択肢を選んだだけで
自分で決めてはいないので結末は変わらないのかもしれない

結末がわかって映像を見るとヒロの死がユーリに見えていない
ことに気づき冒頭から泣くはめになりました

見知らぬ人からの長文コメントすみませんでした。私の考えです。
トップお披露目、さよなら、そして女優デビューすべての共通点
らんじゅさんらしいのかもと思いました
by goochan (2014-09-22 19:46) 

★とろりん★

goochanさま

はじめまして。コメント、ありがとうございます。

コメントの公開とお返事が遅くなって、申し訳ありません。結末の核心にふれることが書かれていましたので、千秋楽が終わるまで公開を控えさせていただきました。

色々な考え方、とらえ方があるものですね。
他にも思う事、引っかかることはいくつかあるのですが、蘭寿さんが渾身の力を込めて演じられていたし、もう良いか~と思っている、いい加減な私です(苦笑)。

退団後、私がちょっと心配しているのは「らしい」とイメージが固定されることです。定期的に仕事がある宝塚の世界では良いのですが、次にいつどんな仕事が来るかわからない芸能界では、「らしさ」はかえってイメージを固定させてしまい、来る仕事や役柄に制約がかかるかも…と思います。蘭寿さんご本人の「らしさ」は失われてはいけませんが、「女優・蘭寿とむ」としては幅の広い、無色透明でいて欲しいなと思います。

by ★とろりん★ (2014-09-28 20:42) 

goochan

こんばんわ。お返事いただいているとは思いませんでした。
すみません!
ifi終わってしまいさみしいですが、素敵な公演でスタートされた
こと幸せです
とろりんさまのブログはかなり前から拝読しておりまして、旅の
記事も楽しみにしています
お気をつけていってらっしゃいませ
by goochan (2014-10-03 21:50) 

★とろりん★

goochanさま

こんばんは。重ねてのコメント、ありがとうございます。

拙ブログを以前からお読み下さっていたとのこと、嬉しいお言葉です。では、あんな妄想フルスロットルなあほ言動やら、こんな妄想爆発の雄叫びやら、ご覧下さっていたのですね…。は、恥ずかしい…(*ノ∀ノ)。

気温の変化が激しく体調管理の難しい時期ですが、goochanさまも気をつけてお過ごしくださいね。

by ★とろりん★ (2014-10-04 22:45) 

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