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『桜NIPPON 踊るOSK 2014』 第2部 感想 [OSK]

こちらでは、第2部のショー『CONNECTION』の感想を書き留めておきます。第1部『炎舞』の感想は、コチラから

容赦なくネタばれしていますので、大阪・大丸心斎橋劇場にてご観劇予定の方はご注意くださいませ!(あ、第1部の感想もね!)

興味がある方のみ、「続きを読む」からお入りください。




第二部 『CONNECTION』
作・演出・振付/麻咲梨乃
音楽/竹内一宏


【あらすじ】

スター・高世麻沙央(自称:ター君/高世麻央)率いるカンパニーが、華やかなショーを見せています。午前公演の終演後、休憩中のター君の密かな楽しみは、お気に入りのラジカセでラジオ番組を聞き、語りかけること。

ター君がいつものようにラジカセに耳を傾けていると、何と、いつも聞いているラジオ番組のDJ、キー坊(桐生麻耶)が彼の目の前に現れます。

キー坊に促されて、夢か現実かわからぬまま、ター君は自身の半生を振り返ります。ささいな事で大事な友達と喧嘩してしまった小学校時代、ガリ勉で先生に期待されつつも本当の自分が見えなくなった中学時代、その反動で思いっきり荒くれてしまった高校時代…。

やがてター君は、自分が歩いてきた道は決して無駄ではなかったこと、自分は一人ではなく、大切な仲間がいることにあらためて気づきます。

過去から現在、そして未来へ向かって結ばれ、繋がれていく「絆」-コネクション。確かな自信と新たな力、そして大切な仲間を得たター君。彼はまた勇気を出して、仲間たちと、夢に向かって走り始めます…。


【カンゲキレポ】


振付家が演出を兼ねる時にいつも感心するのは、「客席からどう見えるかをよく把握しているなぁ」ということ。もちろん、空間演出に長けている(=舞台がスカスカに見えない工夫とか、死んだ空間ができないようにする工夫に優れている)演出家さんはたくさんいらっしゃいますが、今回は特にそれを強く感じました。

三越劇場は客席と舞台の距離が非常に近くて、2階席からもよく見えるのですが(本当は段差がもう少しあれば良いのだけれど…贅沢なわがままですよね)、今回も臨場感があって、とても良かった~!!

このショーは、素晴らしかったです!私は大好きでした。

竹内まりやの「元気をだして」「いのちの歌」、爆風スランプの「ランナー」、「むすんでひらいて」など、どの世代でも一度は耳にしたことのあるポピュラーソングや童謡唱歌に乗せて、ター君の過去が浮き彫りになっていく様子が、テンポよく展開されていきます。

冒頭のショー場面。高世サマ、最初からキラッキラ☆のプリンスぶりをいかんなく発揮しておいでです。きゃはー☆

男役はピンクのシャツに黒のスーツ、娘役はピンクの膝丈のスカート。軽快に、機敏に踊る様子は、「さすがOSK!」の一言に尽きます。これこれ!私が観たかったOSKは、これですよ~!

プロローグが終わると、ドアのようなセットが4つ出てきて、それぞれがその中へ「お疲れ様でした~」と入っていきます。どうやら終演後の楽屋の様子。

スターのター君は個室で、タオルを首にかけて、首こり解消のマッサージ機具を首にかけて、ひと息。高世サマの普段の楽屋での過ごし方を見ているようで、キュンとしてしまいました(笑)。

いつも聴いているラジオ番組のDJ、キー坊(桐生)がター君の楽屋に突然登場。ター君は過去を振り返る旅へと誘われます…。

ここで、キー坊が「僕はター君のことをよく知っているよ」と、ター君のプロフィールをペラペラと話し始めるのですが、これがおそらく、高世自身のことも含まれているのは?と思ってしまう内容なのです。

キー坊いわく、

「身長は169㎝、体重は(ター君「わーっっ!」)、年齢は(ター君「うわわわわーーーっっ!!!」)、趣味はアクセサリー作りとレース編み♪」

OSKの貴公子・高世サマ…


……趣味がアクセサリー作りと、レース編み…だと…?
Σ(゚∀゚)


……萌える!!!ヾ(≧∇≦*)〃キャー☆


その素敵過ぎるギャップに萌えの極みだぞ、

高世サマ…!!



いや、本当は違うのかも知れませんが、もしそうだとしたら…と想像するだけで、激しく萌えるじゃありませんか!舞台ではエレガントでイケメンにも程がある超絶貴公子・高世サマが、オフでは手先が器用で穏やかな雰囲気の女性だなんて!(←とりあえず萌えることが人生の一大事☆)


さて、過去をさかのぼること小学生時代。膝小僧も可愛く見えるオーバーオールキュロットに身を包んで、「むすんでひらいて」を歌う牧名ことりの、可憐な娘役魂に心を撃ち抜かれます。

ここで、小学生のター君を演じるのは、楊。スキップがうまくできない事を友達に笑われたター君は、「むすばれて」いた手をふりほどいてしまいます。そう、実はこの「むすんでひらいて」は、ター君の未来につながる、重要なキーワードとなっていくのです。

そして中学生時代へ。ここでお目見えするのが、


高世サマのメガネ&ガリ勉学ラン姿…!!


なにこれ!なにこれー!!超絶素敵なんですけどー!!

この場面は、難しい数式がそのまま歌になっていて、すごく面白いです。教師役の白藤麗華が数式を歌いながら問うと、高世も歌に乗せて解答するという。

そして、ここでもダンスに徹するのがOSK。中学生らしく、足をブラブラさせながら勉学に励む姿を表現。よ~く見ると(いや見なくても)、自由に足をブラブラさせているように見せて、実は細かくステップを踏み続けているのです。すごい!

自分の気持ちを抑え込んで、ひたすら勉強するター君ですが、「これが自分のしたい事なのか…」と悩み続ける日々。その鬱屈した思いは、ついに高校生になって爆発します。

うわぁ、まさか高世サマの学ラン姿を拝見できるなんて…と感慨にふけっていたら、突如として曲調が激しく変化し、爆風スランプの「ランナー」のイントロが客席に響き渡ります。

ここで、高世が舞台上で早替わり。途中から、そのシルエットの気配から、「まさか…」という予感はしていましたが…。

振り返ったら、

高世サマが、

「OSKの貴公子」と称賛されている高世サマが、


長ラン&リーゼントの極悪ヤンキー高校生にっっ!!Σ(゚∀゚;)


確かにですよ、宝塚でも20年以上前のショー(1993年雪組『TAKE OFF』)冒頭で、男役が長ランの応援団姿で勢揃いするという場面がありましたけれども(←自らを落ち着かせるために前例を探し出してくる)。

舞台でトップを勤めるスターが、まさかここまで突き抜けたツッパリで舞台に登場するとは思いもしなかったので…一瞬、唖然としました。

対する朝香櫻子サマは、ポニーテールも麗しく、くるぶしまであるなっがーいスカートにセーラー服と言う、正しく昭和のツッパリ女子高生に変身。こ…ここまで出来るのか、OSK…!!

これがまたねー、


めっちゃくちゃカッコ良かった!!ヾ(≧∇≦*)〃ウキャー☆


↑想定外の反応

「ランナー」を歌いながら、激しく踊る高世、朝香、楊、千咲、壱弥。朝香は背後から高世の腰に手を置いて、まるでバイクの2人乗りをしているかのような振りもあります。この激しくて疾走感あふれるダンスと歌が、本当に素晴らしかった。

高校生らしい若さと勢い、それをどう発散させたら良いのかわからない、もどかしい思いを抱えている、あの時代だからこそのほろ苦さも表現していて…。

その出演者の姿に加えて、何て言うんでしょう、もう、どこまでも「本気の姿勢」なのが、本当にカッコイイな、と思ったんですよ。最初はちょっと戸惑っていた客席も、出演者の圧倒的なパフォーマンスにぐいぐい惹き込まれて行って、ラストは拍手喝さいでした。

また、朝香の「相手役をカッコ良く見せる娘役スキル」にも、あらためて感動!朝香が高世の肩や腰に手を置いて、顔をのぞきこむようにして見つめるだけで、また一段と高世がオトコマエに見えるのです。本当に、ちょっとした仕草や表情なのですが…これが、序列最高位娘役の真髄…!

そうそう、この場面で、高世がバイクのハンドルを握るような振りをしながら踊るところがあります。私が観劇した回では、その動きをしていた時に、高世の長ランの袖についていた腕章が低い位置までずり落ちてしまいました。するとすかさず、後ろにいた朝香(←ター君のバイクの後ろに乗っている体)が、素早く腕章を持ちあげて元の位置に戻したんですよ。

男役がカッコ良く見えるように、娘役さんが濃やかな気遣いをする姿、見ていて幸せになりますよね(勿論、その逆も好き☆)。お互いが気遣い合い、労わり合うからこそ、男役も娘役も輝けるのですよね。素敵な一瞬でした。

そこに、客席から登場するのが、ター君と対立するチーム。両者の抗争となりますが、ター君は対立チームのリーダー(悠浦)にたたきのめされてしまいます。

えー、対立チームに関しましては、牧名ことり嬢の特攻服コスプレがあまりにも似合いすぎていて、それだけで目の保養でした(←そんなんで良いのか私)。

過去の自分を振り返り、大切なものを置き去りにしてきたことを悔やむター君。そんな彼を、優しく包むキー坊。

「スキップができないと笑われた君は、バレエ教室に習い始めてリズム感が良くなった。中学校でガリ勉だった君は、難しい数式を覚えたことで台本を覚えるのが早くなった。高校生ではバイクを走らせながら大声で歌い続けたことで、喉が強くなった。無駄な事なんて、ひとつもなかったんだよ、ター君」。(←だいぶうろ覚えですが、こんな感じの台詞)

そう、人生に、無駄な事なんてひとつもない。

でも、そう言いきれるのって、本当に難しくて…。

まだ躊躇するター君に、キー坊は悪夢を見せます。これまでの過去の記憶が暗い影のようにまとりつき…。

この場面では、それまでの登場人物が黒っぽい衣裳に着替えて、それぞれ高世に絡みつきます。この場面も、朝香の娘役としてのダンススキルに惚れ惚れしました。リフトの時も、男役としては細身の高世の膝の上にポンっと乗っていて、それが全く体重を感じさせない軽やかさ。

夢から醒めて、ター君は自分にとって大切な仲間―彼にとっては、共にショーを作り上げている団員たち―の存在、そしてその絆にあらためて気づき、勇気を出して、彼らとの距離を縮めようとします。

そう、大切な人たちと、心と心を「むすんで」いくためには、まずは自分の心を「ひらいて」いくこと。大切なのは、そのための勇気。

「これからは、僕のことをター君と呼んで欲しい」という時の高世の言い方が、またとても可愛くてねー!どうしても肝心なところが言えなくて、「これからは…ごにょごにょごにょ(←蚊の鳴くような声)」になってしまうのが、ラブリーでした!

そしてエピローグ。劇中の展開としては、午後公演が始まるというシチュエーション。でもそれは、ター君と仲間たちの、新たな一歩でもあるわけです。

こうして見ると、次期トップスター就任が明確になった高世にとっても、OSKにとっても、新しい夢、新しい世界に向かってスタートラインにつく…という強い気持ちが込められているように感じて、ジーンとしました。お披露目前のこの時期とタイミングで、そして高世麻央の主演で、このショーを上演した意義はとても大きいと思います。

ミュージカル仕立てのショーだからか、ラインダンスがなかったのは残念でした。でも、アンコールは勿論、桜パラソルを使って「桜咲く国」!もう、イントロを聞くだけでテンションが上がる私がいます(笑)。

***

この公演を観劇している最中から、私の中で高世サマの存在が予想以上に大きくなっていきました。

もともと、OSKでは思い入れのあるスターさんの1人ではあったのですが、どんな場面でも、どんな役でも、真心をこめて、全身全霊で舞台を勤める真摯な姿に、あらためて、心の底から感動させられたのです。


「なんて誠実な舞台を見せる方なんだろう」…と。


OSKは年に数回しか観劇しない、にわかの初心者ファンではありますが、舞台人としての姿勢に惚れました。


そして気がつけば、OSK公式サイトに掲載されている高世サマのブログやネット上のニュース記事を探しては読みあさり、ニコニコ動画「OSKチャンネル」に入会し、フラフラとOSKオンラインショップを訪れては、『カルディアの鷹』DVDを購入するべきかどうか、PC画面とにらめっこしている毎日です(笑)。

これからも高世サマと、高世サマ率いる新生OSKのさらなる飛躍を東京の空からお祈りしつつ、次回の東京公演を首を長くして待つことにいたします。今から、お披露目公演が楽しみ!!『カルディアの鷹』、東上しないかなぁ~…。

やっぱり私はレビューが大好きなんだなぁ~と、改めて実感したひとときでした。


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えりあ

とろりん様

こんばんは。
「CONNECTION」は今の高世さんへの宛書では!と私は思ったほど、素敵な作品だったと思います。全員でのお披露目公演が楽しみですね~期待度が更に大きくなりました。

ひとつだけ!『カルディアの鷹』はおススメです。高貴な高世王子が苦悩する様が拝めます。絶品です。劇場が劇場なので音響などよろしくございませんが、脚本・演出・出演者と素晴らしくレベルの高い公演でしたから~もし劇場でご覧になってないのであればDVDでご覧頂きたい作品です(回し者ではございません:笑) あと!ハルカス版のプラグラムにはスタジオ録音のCDが付いてて、これも私は重宝してます。プログラムも凝っててよかったです(回し者ではないんですが・・笑)

by えりあ (2014-10-05 23:14) 

★とろりん★

えりあさま

こんにちは。コメント、ありがとうございます。

私も、『CONNECTION』は完全に高世さんへのあて書きだと信じています!このタイミングでこのショーを作ってくださった麻咲先生の、温かく深い愛情を感じました。

『カルディアの鷹』、やっぱりDVDを購入した方が良いですかっ!えりあさまがそうおっしゃるなら…!!

…と、勇んでオンラインショップに行ったら、品切れ中でしたorz

でも、プログラムはまだ販売していたので、購入手続きをしました!DVDの販売が再開するまで、OSKチャンネルで配信中の「『カルディアの鷹』序章」を視聴して待つこととします…。

by ★とろりん★ (2014-10-06 11:50) 

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