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不屈の一等星 ~柚希礼音、退団記者会見~ [宝塚歌劇]


柚希礼音が退団会見 異例の長期トップ 声震わせファンに感謝 (イザ!産経)

2014/08/20配信

来年5月10日付で宝塚歌劇団を退団することを発表した星組トップスター、柚希礼音(ゆずき・れおん)が20日、大阪市内で会見、退団を決意した経緯などを語った。

「退団会見は白色だと思って」と純白のパンツスーツ姿で現れた柚希は「最後まで皆様に感謝の気持ちをお返ししながら、男役・柚希を追求していきたいと思います」とあいさつ。

大阪市生まれ。平成11年に初舞台を踏み、星組に配属。星組の“生え抜き”で21年4月27日からトップを務め、6年13日の在任となる予定。平成以降では、和央ようかの6年55日に次ぐ6年超え。異例の長期トップだった。

トップ就任時から「辞めるんだな」と退団を意識。宝塚歌劇創立100周年に向かい、周囲の期待に応え、劇団を盛り上げる思いで、駆け抜けてきた。「自分の中では120%頑張りました」と笑顔。記念年を迎えたとき、「そろそろかな」と決意したという。

組のメンバーには、兵庫・宝塚大劇場公演「The Lost Glory-美しき幻影-」「パッショネイト宝塚!」千秋楽(8月18日)に、相手役の夢咲ねねにはその数日前に退団の意思を告げた。夢咲とは「お互い、もう少し、そろそろ、と感じ合いながらやってきた」間柄だったが、その場で号泣されたという。

夢咲に対し、「覚悟はしていたでしょうが…。考えるものがあったような気がしました。一緒に歩んできたので『ありがとう』と言いたい」とし、「星組のメンバーが楽しんでやっているのが分かる今、卒業できて幸せです」としめた。

6年超の長きにわたるトップ期間。「100周年に向かうまでに、くじけそうな時もありましたが、振り返れば、あっという間でした」。トップである自分自身が、進化、努力し続けねば、仲間はついてこないと考えていた。得意のダンスも男役としての見せ方を磨き、苦手意識のあった歌も練習し続けた。「自分の背中で、組子(組のメンバー)が何かを感じてもらえたらと思っていました」

「真心」と何度も口にした。「お客さまはいろいろな事情がある中、劇場へ夢を見に来てくださる。一回一回の公演がどれだけ大切か。真心を込めて公演してきました」。

昨年春の台湾公演では地元の反響の大きさに感動したという。「絶対に失敗できないと思って挑みました。現地語でアナウンスをするなど、一生懸命、真心を込めれば、伝わると思いました」

笑顔がトレードマーク。この日も常に笑顔をふりまいていた柚希が唯一、目に涙をため、声を震わせた。ファンへのメッセージを語った時だ。「ファンの皆様に支えていただき、愛を一杯いただき、感謝の気持ちがあふれています。愛を何倍もお返しできるよう、最後の日まで頑張ります」。感謝の“倍返し”を誓った。

退団後の進路は「どうしましょう。宝塚がすべてだったので。私が女性(女優)というのもどうかな、と(笑)。今は、(今後)一生できないであろう、男役を全うしたい」。恒例の質問である結婚の予定を問われると「聞かれなかったらどうしようと思っていました」と笑わせ、「ないです」と笑顔で語った。

9月5日からは宝塚大劇場で好評を博した「The Lost-」の東京公演が開幕(10月5日まで)。10月7日の運動会、真矢みき以来となる日本武道館でのリサイタルなどを経て、退団公演「黒豹の如く」「Dear DIAMOND!!」が控える。

「運動会は、前回勝てなかった敗北感で10年過ごしました。本当に優勝したいのでメンバーと稽古します」と笑う。日本武道館でのリサイタルは「真矢さんが大成功されて以来。ミュージシャン憧れの地。身の引き締まる思いで、気合いを入れています。お客様一緒に盛り上がりつつ、心に染みる構成にしたい」。退団公演は「柴田(侑宏)先生の久々の書き下ろしですし、その後、初めてのディナーショーをします。楽しみです」

退団公演は、宝塚大劇場では来年2月6日~3月9日、東京宝塚劇場では来年3月27日~5月10日。


* * * * *


名実ともに、「宝塚歌劇の一番星」だった、柚希礼音。ダイナミックなダンスにハートフルなお芝居。常に目の前の舞台に全力投球な姿が、ファンの心をとらえて離さなかった、希有な輝きをもったトップスターに成長しました。

100周年を迎えたこの年、人気もキャリアも断トツで一番なのに、理事の轟悠をはじめ、蘭寿とむや壮一帆が公式の場に同席している時は、必ず上級生を立てて、自分は常に一歩後ろに下がっていた姿が印象的です。そしてそんな時の柚希は、ちょっと安心したような、甘えたような様子でニコニコと上級生を見つめていて、「下級生のちえちゃん」に戻っていたのが、微笑ましかったな。

圧倒的なステージパフォーマンスだけではない、周囲への謙虚な姿勢と藝への真摯な思いこそ、彼女が生徒からもファンからも愛されるいちばんの理由なのだな、とこの会見記事を読んでしみじみと思いました。

卒業の日までの道のりが、たくさんの愛に包まれていますように。

そして、ファンの皆様には、悔いのないように、その日までの時間を過ごされますように。いちばん幸せで、いちばん切なくて、いちばん愛おしい時間になることでしょう。


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