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『ノクターン』 キャスト感想(主に瀬戸くん) [宝塚歌劇]

こちらでは、キャストの感想を書き留めておきます。全体的な感想は、コチラです。


★柚香光(ウラジミール)★

バウホール初主演の柚香。いやもう、それはそれはキラッキラ[ぴかぴか(新しい)]してましたわ~。ウラジミールの若さ、一途さ、頑なさと、今の学年の柚香でした出せない瑞々しさ、若々しさが重なって、とても素敵でした。

小林十市が振付を担当したという、第Ⅱ幕冒頭の華耀とのデュエットも、ダンス巧者の2人らしく、お互いの腕がしなやかに絡み合う独特の動きが特徴的なダンスを美しく魅せて、ため息。反面、恋する苦しみを歌うシーンでは、感情を声に乗せ過ぎてしまって、言葉が聞き取りにくい時もありました。

次の大劇場公演『エリザベート』新人公演では主役のトートに挑戦することが決まっている柚香。ウラジミールとは正反対の役どころですが、今回の経験を生かして、さらなる飛躍を期待しております。


★華耀きらり(ジナイーダ)★

主人公よりも年上の美貌の令嬢。男たちを翻弄し、貴族令嬢らしい気品とプライドの高さを見せながらも、内面に情熱と純真を秘めたヒロイン…という複雑で難しい役どころを、よく演じ切りました。

圧巻だったのは、前述の晩餐会の場面。日々の生活にも困窮する家をどうにかしようと、ザセーキン公爵夫人(五峰)は直截的と言うか、かなりエグイ言い方で、金の無心を迫り、レザノフ公爵夫人オリガ(桜)と口論を起こします。

大きなダイニングテーブルの右端にウラジミール、左端にピョートルが座り、その真ん中でジナイーダがオリガとザセーキン公爵夫人に挟まれた形で座っています。

表面上は優雅に食事を進めながらも、ザセーキン夫人の下品な金の無心話にどんどん態度を硬化させていくオリガ。その真ん中で、真っ白なドレスに身を包んだジナイーダは、時々瞳は泳ぐものの、青白い顔をキッと前に上げたまま、微動だにしません。

自分たちが置かれた状況への情けなさ、母親への嫌悪感、それでも崩れない、貴族令嬢としての傲慢ともいえる気位の高さ。能面のように真っ白な無表情の中にいくつもの「表情」をちらつかせた華耀。上級生娘役でなかれば出来ない技です。むしろ、まゆみ姐さんと一花女史に挟まれてもびくともしない役柄は、華耀くらいにしか出来ないかも…[あせあせ(飛び散る汗)]

フィナーレでは「月下の美女」という役名で、『Streak of Light』で蘭乃はなが着用していたゴールドのドレスで登場。

…いやあの、原田先生…まださ、いろいろ思い出しちゃうからさ、「あのドレス着て、蘭ちゃんが蘭寿さんと踊ってたな~」って…。(ファンって、複雑で繊細なものなのですね…)


★瀬戸かずや(ピョートル)★

若く美しい父親…。

若く美しい父親…。


……ぶぐほっ!!(* ̄ii ̄*)


こんな風に、妄想の中で若く美しい父親役の瀬戸くんに原作の台詞を言わせてみては、感極まってエア鼻血を吹きだすというのが、旅生活における密かなリフレッシュ法でした(爆)。

結果的には、原作のイメージからは全くかけ離れてしまった父ピョートル役ですが、複雑で屈折した役どころを、瀬戸は凄くセクシーにカッコよく演じ切っていました。本編通じて、美男子っぷりが冴えまくっていて、ダンディで大人っぽくて。本編でジナイーダが思わずよろめいてしまったのも頷ける、イイ男です。

個人的に大好きだったのは、上述の晩餐会の場面。

オリガとザセーキン夫人の気取り澄ました、それでて火花散る言い争いの中、能面のような顔で真っ直ぐ前を向いて座っているジナイーダ。瀬戸演じるピョートルは、口をはさむこともせず、優雅にフォークとナイフを使って、ただ黙々と食事を進めます。

一瞬だけ、チラリとジナイーダに視線をやりますが、2人の口論に戸惑いの表情を浮かべるウラジミールとは対照的に、何の反応も示さずに、淡々と時間が過ぎるのをやり過ごすのです。

けれど、何もせず、気にすることもない素振りを見せながらも、すでに関心はジナイーダに向いているのが、舞台を観ているだけで伝わってくるのです。

この時の横顔が、彫刻のように端整で、美しくて…めっちゃ素敵でした!!

続いて、一度関係を持ったジナイーダに再び迫る場面。

「あなただってわかっているはずだ」とか何とか言いつつ(←台詞は適当です)、ぐっとジナイーダの頬に自分の掌を這わせてぐっと顔を近づけ、口づけしようとするのですが、この時、頬に手を合わせてジナイーダと至近距離で見つめあった後、一瞬だけ、親指だけで彼女の頬をくるりと撫ぜるのです。

その、その親指がね!!頬を撫ぜる親指がね!!エロいったらありゃしない!!o(≧▽≦)o


いやだわっ、鬼畜は親指まで鬼畜だわっっ!!(←賛辞です)


そして黒燕尾のフィナーレ!!いや、もう、客席で溶けちゃいそうになるくらい、カッコ良かった~☆(*´艸`*)

フィナーレ冒頭は、瀬戸くんがメインというか、男役をリードして踊るんですよ。その時の並々ならぬ気魄、「フッ」と掛け声も渋くて、本当に素敵でした。

柚香が登場してからは、彼の影のようにぴったりと寄り添いながらも、キビキビと踊る姿が、またカッコ良くてね~!!客席で溶けて焦げて、キャラメリゼ状態になっていました(←大変わかりにくい表現)。

柚香・華耀とのデュエットダンスから、瀬戸が加わってのトリプルダンスは、非常に見応えがありました。本編の緊張感や3人の関係性がより浮き彫りにされていて、スリリングでありながら胸をときめかせてしまうダンスでした。羽山先生、ありがとうございます!!

昨年のバウホール公演『フォーエバー・ガーシュイン』では3期下の芹香斗亜、そして今回の『ノクターン』では5期下の柚香に次ぐ2番手というポジションでの出演。本人としては思うところもあるでしょうが、ダンスで魅せる時のオトコマエっぷりと鬼畜っぷりと色気は、中堅男役としてはダントツです。これからもっともっと、活躍して欲しい!


瀬戸くん、私は瀬戸くんのこと、見てるからっっ!!

(↑まさかのファン宣言)


★他の出演者★

★桜一花(オリガ)・・・高い身分の家柄というプライドと、10歳年下の夫に対する気遅れからか、素直に愛の言葉を伝えることが出来ず、頑な態度をとることで自分も傷ついてしまうという、哀しい貴婦人を好演。ラスト、ネスクーチノエを離れる日に、夫と視線を合わせながらもすぐ逸らし、一言も言葉を交わさずに去って行く背中は、あまりにも気高く、哀しく、切ないものがありました。

★五峰亜季(ザセーキン夫人)・・・専科から特別出演。いや~…脱帽です。こういう役を演じさせたら、五峰の右に出る者はいませんね。無遠慮で崩れた女の役ですが、下品にならないギリギリのラインでおさめているのは、流石です。

★華雅りりか(シャルロッタ)・・・全くの創作人物、シャルロッタ。全体の感想でも書きましたが、とにかく出てくる度に「それ言ったらあかん・・・」な事を言ってしまう、どうしようもなく周りが見えていない役。ウラジミールが好きだからこそ、必死になってしまう…のかも知れませんが、それ以上にウザさが勝ってしまった点でアウト。こんな娘だったら、ウラジミールに疎まれても仕方ないよ…と、つい思ってしまうほど。華雅は一生懸命に演じていただけに、気の毒でした。

そのほか、ジナイーダの取り巻き連中の中では、ニルマーツキー役の冴華りおなが溌剌とした演技で目を惹きました。第2幕第4場、ルージン(天真みちる)との夜の白樺林のシーンは、息詰まる展開が待ち受ける直前の、一服の清涼剤のような役割を果たしました。

マレイフスキー役の和海しょうは、さすがの安定感。ジナイーダの取り巻きたちが陽気に歌う、舞台進行上はちょっと息抜き的な場面があったのですが、和海の本気の歌ウマっぷりに思わず全力で耳を傾けてしまったという本末転倒(笑)。和海くんて、ガチで歌が上手いので、歌い出すと、「心して拝聴せねば!」って姿勢を正しちゃいますよね(笑)。

専科から出演の悠真倫(ヴォンファーチ)は、役不足でしたね。せっかくなのだから、もっと役を膨らませてあげて欲しかったです。

残りの男役や娘役も実力派がそろっていたのに、まるで十把一絡げのようにレザノフ家の女中役だったのは残念!でも、原田先生の創作でオリジナルの役を作ったら、第二、第三のシャルロッタが誕生したかも知れないから…良かったのかしら…[あせあせ(飛び散る汗)]毬花ゆめ(ヴェロニカ)は、女中頭として手堅い演技を見せ、上級生としてもよく下級生をまとめていたと思います。


* * * * *


そんな感じで、悶々とはしましたが(苦笑)、キャストはみんな輝いておりましたよ。

柚香のフレッシュでピュアな好演に癒され、桜と華耀の娘役芸を堪能し、若手の力演に胸を熱くし、ダンディでセクシーで鬼畜で美しい瀬戸くんに思いっきり鼻の下を伸ばした(笑)、見応えのある舞台でした。


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