福井県 永平寺 [旅]
今回、訪れたのは北陸の地。越前ガニが解禁されたばかりの福井県を訪れました。
たまたまホテルのフロントで見つけた、永平寺行のバス時刻表。「そうか、永平寺があるんだよね。行ってみたいけど、遠いよね…」と時刻表を確認したら、なんと福井駅前からバスに乗ると、約30分で行けることが判明!これは行くしかない!帰りの電車の時刻を変更してでも行くしかない!
…という熱い決意のもと、直行バスに飛び乗り、永平寺に行ってまいりました。
福井駅東口から約1時間に1本の間隔で出ている直行バス(片道720円)に乗って揺られること、約30分。
正門に到着しました。
正門には、一対の石柱が立っていて、一方には「杓底一残水(しゃくていのいちざんすい)」(↑写真)、もう一方には「汲流千億人(ながれをくむせんおくにん)」と刻まれています。
一尺の水でも元の川へ流れることによって、多くの人が恩恵にあずかる、という意味が込められています。物の生命を大切に無駄にしない、という禅的思想がよく表現されています。
永平寺は、曹洞宗の宗祖道元(1200-1253)によって、1244年に開創した曹洞宗の大本山です。
さて、帰りの福井駅行のバスまで、空いている時間は1時間。しかもお寺からバス乗り場までの道のりを考えると、正味45分で回らなくてはいけません。
あたふたと石段を登って拝観料(500円)を納め、寺務所内へ。ここで靴を脱ぎ、スリッパを履いて、順路ごとに回っていきます。
まず到着するのが、客殿「傘松閣(さんしょうかく)」。
道元禅師の750回遠忌の記念として、1995年に際限されました。この通り、2階は156畳敷きの大広間で、1930年(昭和5年)建築当時の天井絵を修復し、はめこんでいます。
この大広間は別名「天井絵の大広間」と呼ばれ、花や鳥などを描いた230枚の絵は、昭和5年当時の著名な画家144名によるものだそうです。
まさに昭和初期の美術の粋と美が結集した場所、と言っても過言ではありません。寝転がってずーっと見上げていたいくらいです。
豪雪地帯に建てられたお寺の特色でしょうか、御堂から御堂までは、木造の回廊と階段で繋がっています。
毎日、修行僧の手によって、一段一段、磨き抜かれている階段。
一段飛ばしで上がるのは、かなりの労力でした…(良い子のみんなは真似しないように)
道元禅師の御真廟(お墓)であり、日本曹洞宗発祥の聖地とされている承陽殿へ続く、承陽門。
静謐さの中にも威厳あふれるたたずまいです。
承陽殿の前に設置されている香炉の上にいるお獅子。
右前肢をひょこっと上げているのが、何ともラブリーです。
この日は雨が降っていて、山林の懐深くまで霧が入り込んでいて、幻想的な空気に包まれていました。
法堂(はっとう)。
仏殿。
仏殿から見える、美しい中雀門(ちゅうじゃくもん)のその下に見えるのが…
永平寺最古の建造物とされる山門です。
三解脱門(さんげだつもん)とも称され、仏の世界に入る関門とされています。
山門から見上げる、中雀門(ちゅうじゃくもん)。
山門は力強くて男性的であるのに対して、中雀門はたおやかで女性的な印象を受けます。
右手に見えるのは、鐘楼堂。
NHK「ゆく年くる年」でもおなじみ、「除夜の鐘」で有名な大梵鐘がつるされています。
まっすぐに伸びた杉の木と、いろ鮮やかな紅葉の対比が美しいですね。
杉木立の中に静かにたたずむ報恩塔。
写経を納めるため、1996年に建立されたそうです。
凛冽で清浄な空気に包まれた、貴重で有難いひとときでした。
【おまけ1】
恐竜化石が多く発掘されていることで有名な福井県。福井駅前のロータリーや駅舎には、恐竜の実物大模型やイラストがたくさん展示されています。
福井駅構内のベンチでも、恐竜さんが研究中…?
【おまけ2】
福井名物、ソースカツ丼とおろしそば。
福井県で「カツ丼」といったら、こちらがポピュラーなのだそうです。濃厚なソースの味と、サクサクのし食感がクセになりそうです。
おろしそばは、ざるそばの上に鰹節を乗せ、大根おろしをからめたつゆをぶっかけていただきます。すっきり、さっぱりとした味わいで、こちらも美味しかったです。
心もお腹も満たされた、福井への旅でした。
大浴場で有名なルートインホテルズ。女性用大浴場は…ちょっと小さ目です(^_^;)。
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