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OSK日本歌劇団 『桜NIPPON 踊るOSK 2014』 第1部 感想 [OSK]

sakura2014.jpg
2014年9月14日(日) 三越劇場 15:00開演


【出演】

高世麻央、朝香櫻子、桐生麻耶、牧名ことり

楊琳、悠浦あやと、白藤麗華、千咲えみ、登堂結斗

舞台実習生(第91期生):朔矢しゅう、壱弥ゆう、藍莉かのん 

***

新橋演舞場公演『夏のおどり』から約1ヶ月半。再び、OSKの舞台を観劇しました。

9月1日に、OSKの新トップスターに高世麻央が就任すると発表されてから、この公演が初めての高世主演舞台となります。お披露目公演についてはあらためて内容が発表されるとのことなので、今回はいわゆるプレお披露目、という感じかな?

高世は1996年にOSK入団、同年『セロ弾きのゴーシュ』で初舞台。そうです、何と私がこよなく愛する蘭寿とむと高世は同じ年に、(劇団こそ違え)歌劇の世界に足を踏み入れたのです。また、私が初めて観たOSKの舞台も彼女が主演だったので(→その時の記事はコチラから)、勝手にご縁を感じているスターさんでもあります。

第1部はストーリー仕立ての和物レビュー、第2部もストーリー性の強い洋物レビューの2本立てでした。

こちらの公演は、9月20日から大阪の大丸心斎橋劇場でも上演されますので、ブラインドしておきますね。興味のある方のみ、「続きを読む」からお入りください。躊躇なくネタばれしておりますので、ご注意くださいませ。




第一部 『炎舞
(えんぶ)(カルメンより)
作・演出/吉峯暁子
音楽/鞍富真一
振付/尾上菊紫郎、山村若有子


【多分、こんなあらすじ】

様々な芸能文化が華開いた桃山時代。名古屋山三(高世)と恋人の阿国(朝香)一座の「かぶき踊り」は大喝采を浴びています。

ある夜、山三はひょんなことから傀儡一座の娘、鶫(つぐみ/牧名)を助けます。以前から山三に憧れの念を抱いていた鶫は山三を誘惑し、山三も胸騒ぎを覚えつつ、つい鶫の誘惑に乗せられてしまいます。山三の心変わりを知った阿国は恋の妄執に苦しみます。

山三は鶫に連れられて、傀儡一座のもとへ。頭領の黒百合丸(桐生)たち傀儡の者たちと、それぞれの芸を競い合って楽しみます。

そこへ、意を決した阿国が山三を取り戻すために登場。鶫が仕掛けた恋いくさを経て、山三、阿国、鶫、黒百合丸はそれぞれ、自分にとって誰がいちばん大切な存在なのかを確信するのでした。

やがて、黒百合丸と鶫たち、傀儡一座が新しい旅へ出発する日が来ます。山三と阿国の一座は、彼らの門出を祝って華やかに舞うのでした。


【カンゲキレポ】

タイトルとプログラムに掲載されているあらすじからして、オペラ『カルメン』をモチーフにした作品なのかな?と思いきや…。

えーと、えーと、「名古屋山三 meets 異文化」っていうコンセプトで合ってます?あ、違います?

とりあえず、山三=ホセ、鶫=カルメン、阿国=ミカエラ、黒百合丸=エスカミリオ…という位置づけだったのでしょうが、カルメン的要素が漂ったのは、鶫演 じる牧名が「ハバネラ(恋は野の鳥)」を歌った場面くらい。あとはびっくりするくらい安直な展開に、観劇しながら脳内補完するのに必死でした(笑)。

タイトルから「カルメン」を取れば、ライトな和物ミュージカルとして楽しめたのかな~…とも考え直してみたのですが、やはり人物の書き込みが非常に浅いので、どの人物にも感情移入できません。あ、高世サマは超絶美男子でしたけれども☆

山三(高世)が鶫(牧名)を助ける場面で、2人が見つめあった瞬間に、

鶫「なんて素敵なお方。阿国さんが羨ましい」

山三「何だろう、この胸騒ぎは…」

というような台詞がナレーションで入った時には、あまりの唐突感に客席がざわつきました(笑)。

あそこの台詞ナレーション、キューバ公演ではどうするのかな?ちゃんとスペイン語で入るのかな?高世サマのスペイン語、聞いてみたいかも(*´艸`)ムフフ☆

…と前向きに妄想していたのですが、どうやら心斎橋劇場公演では、このナレーションはなくなったそうです。うん…やっぱりそうだよね…(苦笑)。

山三と傀儡一座が「芸の競い合い」をする場面も、ヒップホップやムーンウォークを披露する傀儡たちに、唐突感、再び(笑)。少なくとも私の周囲では「…… ポカ───( ゚д゚ )───ン……」な空気が漂っておりました…。楊の人形振りは、巧かった!

続く「買い物ブギ」は、OSKのOGである笠置シヅ子さんの代表曲だし、と納得できますが、こちらもやはり、唐突感はぬぐえなかったかな~。でも、「♪ わて ほんまによういわんわ♪」と渋く歌う高世サマは、カッコ良くてシビレました~☆

とりあえずこの場面は、全観客の頭の上に「???」が飛び交っていたように感じたのは…きっと気のせいではないはず(笑)。

こちらの作品は、「日本・キューバ友好400周年交流事業」参画事業として、キューバの首都・ハバナのマルティ劇場でも上演されるのだそうですが…。それならば、無理してオペラのモチーフやヒップホップの要素など取り入れることなく、純粋な和物レビューとして構成した方が良かったのではないかな~と思います。現地の方達は、「日本の文化」「日本の芸能」を知りたい、観たいと思っているのでしょうから。あえて、そちら寄りの要素を取り入れる必要はなかったと思います。

それこそ、「キサス・キサス・キサス」や「ベサメ・ムーチョ」などなど、ラテン音楽で二枚扇の舞とか、見てみたかった~!「洋楽」で「日舞」を舞うのが、和物レビューの醍醐味ですから。

OSKの至宝「鏡の夢」も、「桜ボレロ」も、海外では高い評価を受けると思います!!きっと人数的にも構成的にも無理なのでしょうが、「いつものOSK」らしい和物レビューで充分だったと思いますけれどもね~。完全素人の意見ですけれども(→「鏡の夢」については、コチラへ)。

唯一、人物に共感できたのが、阿国を演じた朝香櫻子。愛する人を失うかもしれない恐怖、愛する人を奪われた哀しみと怒り、そんな負の感情にさいなまれる苦悩を、見事に舞に乗せて表現していました。

朝香演じる阿国が一座の者に舞を教える場面は、この作品の白眉と言っても良いでしょう。

この、阿国に舞を学ぶ一座の者を演じているのが、「舞台実習生」の3名。彼女たちは現在、OSK舞台研修所で研修中で、今回が初めての舞台出演なのです。

その実習生たちに、朝香が二枚扇の舞を教えながら舞うのですが、そのたおやかな舞姿、正確で機敏な扇遣いに、惚れ惚れしました。また、娘役序列最高位の朝香と初々しい実習生たちが同じ舞台に立つということに、とても感慨深いものを感じました。こうして、芸が次世代に受け継がれ、引き継がれていくのですよね。

それにしても、高世サマは超絶オトコマエじゃった~!!(←自分も充分に唐突)

さすがOSKの貴公子!!いつでもどこでも何度でも、ひたすらキラキラしてました!

山三の言動は、いちいち「ちょ、山三サマw」って突っ込みたくなる事ばっかりでしたが、最終的には「高世サマだから、いっか☆」で納得できてしまうミラクル(笑)。紫を基調にした若衆スタイルが、とってもとってもお似合いでした☆

桐生麻耶は、さすがの力強さと安定感。牧名ことりも美声が心地良かったです。ただ、私が観劇した回では「ハバネラ」でサビの高音が割れてしまって、惜しかった~!おきゃんで天真爛漫な鶫ちゃんでした。

***

まぁ、突っ込みどころは満載だったものの(←ついに言ったw)、OSKの芸の多彩さを楽しめました!


★おまけ★

140.JPG
開演前にお茶をした、三越本館「カフェ ウィーン」でいただいたザッハトルテとメランジェ(カフェオレ)。

チョコレートが濃厚で、とても美味しくいただきました☆


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